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日本バスケ界の至宝へ。八村塁が見せた成長。~アメリカ基準で育つ、日本の常識を超える男~
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2017/06/14 08:00
八村が所属するゴンザガ大が決勝に進んだ全米大学選手権は1試合で7万人以上の観客を集めるほどの人気大会。
昨季のバスケットボール全米大学選手権(NCAAトーナメント)に日本人として初めて出場し、準優勝した八村塁(ゴンザガ大)が1年目のシーズンを終えて5月に帰国し、会見を行なった。
米国で感じたこととして最初に口にしたのは、「アメリカはフィジカルや技術が凄いという印象があるが、行ってみて感じたのは気持ちの強さが大事ということ」だ。
「アメリカは自分を大事にする国。自分の個性をどれだけ出すかが重要で、とにかく、自分から積極的にやることが必要だった」
昨年5月に渡米した当初は、故郷・富山の風景が恋しくてしかたなかったというが、まずは最初の関門である大学入学のための学力テストをクリアすべく、猛勉強に明け暮れた。努力の甲斐あって入学が決まると、今度は「英語とコミュニケーションは別もの」と、スラングやジョークを交えながらチームに溶け込んでいく作戦を敢行。「そうするうちにチームメートやコーチから自信を持ってやれと言われるようになって、そこからプレーも良くなった」と振り返った。