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CL連覇狙うレアルの本質は中盤だ。
クロース&モドリッチ、最強の2人。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byAFLO

posted2017/06/01 11:00

CL連覇狙うレアルの本質は中盤だ。クロース&モドリッチ、最強の2人。<Number Web> photograph by AFLO

昨季ビッグイヤーを手にしたクロースとモドリッチ。彼ら中盤が機能する今のレアルは、手のつけられない強さを見せている。

シャビも「彼のプレースタイルは僕に通じる」。

 クロスの成功数はセントラルMFながら、ユベントスの右サイドを担当するダニ・アウベスとともに25本と最多タイ。そして、マドリーの重要な得点源でもあるコーナーキックを任され、セルヒオ・ラモスやクリスティアーノ・ロナウドらの額にあつらえむきのボールを届ける。

 現在のマドリーでは主に最終ラインの脇に下りてきてゲームメイクを担う一方、チャンスと見れば、相手ボックス付近まで駆け上がってゴールを狙う。準決勝第2戦の前半終盤にイスコが決めたゴールは、クロースの鋭いグラウンダーのシュートの跳ね返りを押し込んだものだ。これがアトレティコの気勢を削ぐ1点となった。

 この完璧に近いセントラルMFへの賞賛は挙げたらキリがないけれど、新しいところでは、シャビが「クロースはマドリーのエンジンだと思う。彼のプレースタイルは僕のそれに通じるものが大いにある。僕の後継者みたいだね」と『ビルト』紙に語ったものがある。ティキタカの創始者のお墨付き。これ以上に説得力のある賛辞もないだろう。

モドリッチの真骨頂は「運ぶドリブル」にある。

 相棒のモドリッチは、より動的なタイプだ。この31歳のクロアチア代表主将もまた、今季のCLで634本のパスを味方に届け、91%の成功率を誇るが、真骨頂は運ぶドリブルにある。

 ナポリやアトレティコといった欧州有数のプレッシングを武器とするチームとの対戦で、どれほど激しい重圧にさらされようとも、彼はボールを確実に前に動かし、チームに有利な状況を生み出してきた。特に相手ボールを奪った後が秀逸だ。

 研ぎ澄まされた予測能力を発揮してマイボールにすると、素早く前進して逆襲の担い手となり、敵を大きなピンチに晒す。また軸足の後ろや相手の股を抜いたりして、観戦している者にも見えないコースを見つけ、自分とチームの時間を作り出す。中盤の低い位置でプレーしていても無難なプレーをほとんど選択しない、当代屈指のプレーメーカーなのだ。

【次ページ】 カゼミーロとのユニットを築き上げたのは、ジダン。

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