炎の一筆入魂BACK NUMBER
なぜ育成のドミニカンを実戦投入?
カープが視界に捉える連覇とその先。
posted2017/02/25 11:00
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
NIKKAN SPORTS
春季キャンプも最終盤となり、各球団のチームづくりは1段階も2段階も上がった印象がある。これからオープン戦を重ね、開幕へ向けてチームを作り上げていくだろう。
ところが連覇を狙う広島は、大事な実戦段階に入ろうとしているのに、謎の外国人選手がまだチームに同行している。
広島ドミニカアカデミー出身の背番号145のサビエル・バティスタと背番号146アレハンドロ・メヒアだ。
個々の仕上がりのチェックとチームプレーの確認をメインとした宮崎県日南市での1次キャンプから、実戦が続く2次キャンプ地・沖縄へ移動した後の対外試合でも、彼らはスターティングメンバーに名を連ねていた。
新外国人ラミロ・ペーニャや来日6年目のブラッド・エルドレッドもいるにも関わらずだ。今年は昨年よりも開幕が1週間ほど遅いとはいえ、選手の見極めに時間を要すると、チームづくりは後手に回る。チームづくりの遅れは開幕直後の戦いに大きく影響する。
開幕目前まで選手の見極めに時間をかけると……。
広島・緒方孝市監督の1年目はそうだったように感じる。
新人の野間峻祥と鈴木誠也をオープン戦終盤まで競わせたことで、開幕目前になってもシーズンの青写真が見えづらかった。結局、打線固定に時間を要し、シーズン序盤の出遅れが最後まで大きく響いた。
25年ぶりの優勝を経て迎えた3年目の春。
あのときと同じことをやっているのでは……と、疑問に感じた。