炎の一筆入魂BACK NUMBER
なぜ育成のドミニカンを実戦投入?
カープが視界に捉える連覇とその先。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/02/25 11:00
練習試合で豪快なホームランを放つアレハンドロ・メヒア。大器としての魅力たっぷり……に見える。
育成契約の昨季、大した成績も残せていない2人なのに?
育成契約した1年目の昨季、2人はまだまだ支配下登録選手を勝ち取るだけの数字を残したとは言えない。
バティスタ 二軍68試合、打率2割4分3厘、6本塁打、19打点。
メヒア 二軍79試合、打率2割5分9厘、7本塁打、25打点。
ともに高い潜在能力を持つが、まだ一軍レベルにはない。そんな状況で、2次キャンプの実戦に名を連ねる意味は何か――。
ベテランの新井貴浩を日南市へ残留させてまで沖縄の地へ連れて行く必要はあったのか。疑問はぬぐえない。
なぜ選手をふるいにかける2次キャンプまで起用しているのか。現状を考えれば、彼らが支配下登録を経て一軍で開幕を迎える可能性は極めて低い。
緒方監督「アカデミーの選手は日本人選手と一緒」
実際「今年使う可能性あるの? 絞り込みの段階なのに、なんで使っているのか?」と疑問を投げかける他球団スコアラーもいた。
だがそんな周囲の雑音を鼻で笑うように、緒方監督はあくまで冷静にこう答えた。
「外国人として見てないって。うちの(ドミニカ)アカデミーの選手は日本人選手と一緒。育てるために使っている。外国人枠は関係ない。鍛えて育てる。そうすれば絶対近い将来チームの力になるから」
広島一筋の指揮官だからこそ、感じるものがあるのかもしれない。
過去にはロビンソン・チェコやライネル・ロサリオが広島の戦力となった。一方で日本では力を発揮できず、米国で才能を開花させたアルフォンソ・ソリアーノ(ヤンキースなど)やティモ・ペレス(メッツなど)らがいたのも事実だ。