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F1メルセデスの新シートにボッタス。
前王者ロズベルグと同じ道を歩むか。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2017/01/22 08:00
英国ブラックリーのファクトリーで、メルセデス入りを発表したボッタス(右)とチーム代表のウォルフ(左)。
自ら発掘したドライバーをチームに迎え入れる喜び。
ウォルフの熱意は通じる。2010年にウイリアムズは、ボッタスをテストドライバーに抜擢。ボッタスもウォルフの期待に応えた。ウイリアムズのテストドライバーを務めながら参戦していた2011年のGP3シリーズを制覇。2013年に、ついにウイリアムズからF1デビューを果たす。
F1ドライバー生活4年間で獲得した表彰台は9回を数え、トップドライバーへの階段を着実に登っていく。
2017年1月17日、メルセデスAMGがボッタスの加入を正式に発表したのは、イギリス・ブラックリーのファクトリーだった。全従業員を前に、ボッタスとともに姿を現したウォルフ。しかし、それはドライバーとマネージャーという関係ではなく、ドライバーとチーム代表という立場だった。この日よりウォルフはボッタスのマネージメントから手を引き、「エイセス」のマネージメントグループにボッタスを託していたからだ。
それでも、ウォルフに寂しさはない。むしろ、自ら発掘したドライバーを自ら運営するチャンピオンチームに招き入れ、共に栄光を目指すことができるという運命に感謝しているに違いない。
ボッタスのキャリアはロズベルグと共通する。
ボッタスがメルセデスAMG入りしたという決定に、運命を感じているだろう者がもうひとりいる。それは12月2日に突然、現役を引退したニコ・ロズベルグだ。じつは、ロズベルグとボッタスにはある共通点が存在しているからだ。
それは、キャリアだ。ロズベルグがF1にデビューしたのは2006年。チームはウイリアムズだった。ボッタスがそのシートに座るのは、それから7年後のこと。
ロズベルグがウイリアムズを後にし、メルセデスAMGに移籍したのが2010年。つまり、ウイリアムズ在籍期間は4年間だった。ボッタスもまた、ロズベルグと同じ4年間をウイリアムズで過ごし、しかも、移籍先はロズベルグ同様、メルセデスAMGなのである。