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F1メルセデスの新シートにボッタス。
前王者ロズベルグと同じ道を歩むか。
posted2017/01/22 08:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
1月17日。メルセデスAMGが、昨年末ニコ・ロズベルグが引退したことで空席となっていたシートに、フィンランド人のバルテリ・ボッタスを起用すると発表した。この発表を特別な思いで受け止めていた者が、2人いる。
ひとりはボッタスの起用を決めたメルセデスAMGのチーム代表的な存在であるトト・ウォルフ(エグゼクティブディレクター/ビジネス)だ。なぜなら、ウォルフはボッタスのマネージメントの一員だからである。
ウォルフとボッタスの出会いは2008年だった。
ウォルフがボッタスに初めて出会ったのは2008年。ドイツ・ニュルブルクリンクで開催されていたフォーミュラ・ルノー2.0のレースだった。
「バルテリはこのレースでポールポジションを獲得しただけでなく、決勝でも後続に30秒近い大差を付けて勝ったんだ」
ライバルたちのレベルが決して低かったわけではないことは、そのレースに昨年F1ドライバーズ選手権3位のダニエル・リカルドも参加していたことでもわかる。
若手ドライバー育成のためのマネージメント会社「エイセス」を、フィンランド人の元F1王者であるミカ・ハッキネンとともに経営していたウォルフは、すぐにボッタスと接触した。
さらに2009年から株式10%を取得して非常勤役員となったウイリアムズF1チームへ、ボッタスの売り込みを開始する。
「彼はいつか必ず大きな花を咲かせる」