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開幕戦は混乱必至!? 史上最大のレギュレーション変更で変わるF1、“未来志向”の目的とドライバーの反応とは?
posted2026/03/06 17:01
ニューマシンでプレシーズンテストを走り込んだフェルスタッペン
text by

尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images / Red Bull Content Pool
もしかすると、今年のF1はこれまで私たちが見慣れてきたものとは違う光景となるかもしれない。その理由は、今週末開幕するF1が史上最大規模のレギュレーション変更を行ったからだ。
F1は過去にもレギュレーションを何度も変更してきた。1989年にはターボエンジンが禁止され、自然吸気エンジンとなった。94年にはアクティブ・サスペンションなどのハイテク装置の使用が禁止された。98年から11年間は、スリックタイヤに代わって溝付きタイヤが導入された(2009年シーズンにスリックタイヤ復活)。06年からは予選が60分1本勝負から、Q1~Q3の3つのパートで構成される新システムに生まれ変わった。10年にはレース中の給油が禁止され、14年からは自然吸気エンジンが姿を消し、ハイブリッドのパワーユニット(PU)が導入された。
F1の歴史は、レギュレーション変更の系譜だったとも言える。
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しかし、今回のレギュレーション変更は過去に実施されたどの変更よりも規模が大きく、質が異なる。その中で最大の変更は、PUに関するものだ。14年シーズン以来、搭載されてきた1.6リッターV6というエンジンの基本骨格は継続されたが、電動化が強化されたという点で、これまでと今年のPUは似て非なるものとなった。
PU変更のポイント
これまでのPUの出力はエンジン(ICE=内燃機関)が約550kWで電動が120kWだったが、26年からは電動がほぼ3倍の最大350kWまで引き上げられた。エンジンの骨格は変わらないものの旧来の化石燃料が使用禁止となり、100%再生可能エネルギーから作られたカーボンニュートラル燃料になったことで約3割パワーダウン。出力が約400kWとなった。これによりエンジンと電動の出力比率は昨年までの約80:20から約50:50となり、PUそのものの性質が完全に変わった。
これまで脇役にすぎなかった「電動」が「エンジン」と並んで主役になることで、この新しいレギュレーションはF1とフォーミュラEの「いいとこ取り」となるはずだった。しかし、電動が主役となったことで、走行しながらいかに電気を充電するかという新たな課題が生じた。

