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F1開幕戦、メルセデスの怪しい優勝。
納得いかないレッドブル・ホンダ。
posted2020/07/06 11:50
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Mark Thompson/Getty Images
2019年の最終戦アブダビGP以来、217日ぶりのレースとなったF1オーストリアGP。新型コロナウイルス感染の影響で、開幕が4カ月遅れとなった鬱憤を晴らすかのように、ドライバーたちはスタートからフィニッシュまで激しいバトルを繰り広げた。
白熱した戦いは、すでにスタート前から始まっていた。その戦いは6連覇中の王者メルセデスと、'13年以来の覇権をホンダとともに目指すレッドブルによる、コース外の戦いだった。
メルセデスに抗議し続けたレッドブル。
レッドブルが仕掛けた戦いは、土曜日の予選で2位を獲得していたルイス・ハミルトン(メルセデス)に対する抗議だった。
予選でハミルトンは2番手のタイムを出した最後のアタックで、直前を走っていたチームメートのバルテリ・ボッタスがコースオフした際に提示された黄旗を無視し、減速しなかった疑いで審議対象となっていた。スチュワード(審議委員)は「黄旗と同時に減速の必要がないことを示すグリーンライトも表示されていた」として、土曜日に一旦はお咎めなしの裁定を出していた。
ところが、レッドブルは新しい証拠映像とともに、日曜日のレース前に再審を要求。その映像にはイエローライトの後にグリーンライトが灯っていたことがはっきり映っていたのである。結局、イエローライトからグリーンライトまでの区間で減速を行わなかったハミルトンに対して、5番目への降格のペナルティが科せられた。
じつはレッドブルのメルセデスに対する抗議は、この週末これが2度目だった。