リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
点を取れずドリブルでも抜けない。
31歳ロナウド、不調も続く特別扱い。
posted2016/11/12 11:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
AFLO
第11節が終わり、'16-'17シーズンもまもなく中盤に差し掛かる。
上位には案の定2強+アトレティコの優勝候補が絡んでいるが、一方でどこも順風満帆とは言い難く、今後の二転三転が楽しみな展開になっている。
まず、ディフェンディングチャンピオンのバルサは早くも2敗(アラベス戦とセルタ戦)を喫して2位。
次に、CL決勝戦で再びマドリーに屈した昨季の雪辱が期待されるアトレティコもここまで2敗3分けとシメオネ監督期では最悪の序盤を過ごして4位。
おかげで首位に立つのはそのマドリーだが、こちらもモウリーニョの下でリーガ史上初の100ポイントを獲得した前回戴冠時の勢いはなく、どこでつまずくかわからない。
なにしろ守備が脆い。
MFカゼミーロと主将ラモスの不在で守備が機能不全。
これまでの全公式戦16試合で18失点しており、ゴールを許さなかったのはリーガのレアル・ソシエダ戦、エスパニョール戦、そして前節レガネス戦のみ。具体的にはボールを失った後、敵の前進を止められない点や、シュート体勢に入った選手へのチェックの甘さが指摘されている。今月2日に行われたCLグループステージ第4節レギア・ワルシャワ戦でも、明らかな格下を相手にしながら、まさにそんな不手際で0-2から逆転され、85分に追いついて面目を保った。ちなみにレギアは枠内へのシュート4本で3得点している。
このディフェンスの機能不全について、大きいのはカゼミーロとセルヒオ・ラモスの戦線離脱だろう。昨シーズンの陰のMVPといえる前者は9月中旬のエスパニョール戦で腓骨に亀裂骨折を負った。ジダンは中盤の守備に頭を悩ませてきたが、確実な代替案はいまだ見つけられないでいる。
ラモスの方は10月9日のW杯予選アルバニア対スペインで左ヒザを捻挫。代役はペペやナチョが務めてはいるものの、キャプテンでもあるラモスの不在はあらゆる面で感じられる。