リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
点を取れずドリブルでも抜けない。
31歳ロナウド、不調も続く特別扱い。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byAFLO
posted2016/11/12 11:00
ロナウドは契約延長会見で「41歳までプレーしたいね」と豪語したという。果たして10年後までペレス会長の御眼鏡に適うのか。
ドリブルで抜いた回数は0.5回以下、メッシは3.6回。
さらに、もうひとつのトレードマークであるドリブルも今季は全く輝かない。スペインのニュースサイト「エル・コンフィデンシャル」によると、対峙した敵チームの選手を完全にかわす回数は1試合当たり0.5回以下。何かにつけて比較されるメッシが約3.6回、ネイマールが約4.8回、タイプの異なるモドリッチでさえ約2.9回なのだからロナウドの数字は際立っている。
ロナウドは7月のユーロ決勝戦で左ヒザの内側側副靱帯を痛めたため、治療とリハビリに約2カ月を費やした。よってプレシーズン中、例年どおりのトレーニングを行うことができなかった。
現在の右肩下がりはそこに端を発する一時的なものかもしれないが、ベイルの好調や今季の攻撃陣の層の厚さを考えると、監督としては捨て置けないデータである。ポジション変更を含むロナウドの起用法を再考すべき時がジダンに訪れたといえるのではないだろうか。
ジダン監督はロナウドもローテーションの一員に。
元よりチームを第一とするジダンはロナウドをもローテーションに加えるつもりで、以前、第6節ラスパルマス戦での途中交代に腹を立てた彼について問われた際はこう答えている。
「下げられて怒るのは当然。それは問題ない。彼は全試合に出てチームを助けることを臨んでいる。悪くない。だが1シーズン60試合に耐えられる選手なんていないよ」
しかし、そんな折、マドリーはロナウドとの契約を彼が36歳で迎える'21年6月末まで延長すると発表。記者会見の会場を、ベイルを始めとする他の選手が使用してきたプレスルームではなく、スタンドに設けたステージとした。
すなわち特別扱いだ。