来季は一気にチームの若返りが進む。

　今オフは一気に若返りを推進した。

　50歳の山本昌、兼任監督だった谷繁元信、さらに和田一浩、小笠原道大。4人の名球会員が一斉に現役を退いた。山本昌、和田は来季も選手をと望んでいたが、落合博満GMが事実上の引退勧告を突きつけた。さらにかつてのエース川上憲伸も退団（現役続行を希望）。

　少なくとも5本塁打、打率.298の和田、代打中心に打率.294だった小笠原、いるだけで投手が安心する谷繁は存在感を見せていた。それでも引退を迫ったことで、チーム変革のスイッチを押すと同時に、一時的な戦力ダウンをもたらすリスクもある。

ベテランを追いやれなかった若手の伸び悩み。

　いみじくも山本昌は引退会見でこう言った。

「若い人の邪魔になってはいけないと思って引退を決めた」

　言い換えれば、51歳にして若手の前に立ちふさがることができるという自負の表れだ。最後まで和田や谷繁を追いやることができなかった若手の伸び悩み。ここにこそ黄金期から凋落した要因がある。

　来季こそ「待ったなし」の世代交代。注目は三塁手だろう。

　リーグ4位の打率.292と、安定感は折り紙付きのエクトル・ルナを自由契約にした（その後広島に入団）。新たに獲得したメジャー66発のダヤン・ビシエドは一塁手だから、空いた三塁には高橋周平を起用することが濃厚だ。

駆け引きと妥協の産物でできたモザイク内閣。

　そこで気になるのがコーチングスタッフだ。

　というのも、今季まで二軍監督として高橋を手塩にかけて育て、なおかつ谷繁監督の盟友ともいえる佐伯貴弘コーチが来季から一軍に昇格する。ところが谷繁監督が望んだ野手を束ねるポストではなく担当は「守備コーチ」。これでは高橋の打撃を見ることはできない。

　打撃は往年の阪急で活躍した加藤秀司（チーフ打撃兼野手総合）と、その弟子筋にあたる嶋村一輝が担当することになる。

　二軍監督には引退した小笠原、同チーフ投手コーチにはオリックスを退団した高山郁夫が就任。内野守備の辻発彦、外野守備の長嶋清幸が二軍へ、二軍の渡辺博幸、英智（蔵本）が一軍へと入れ替わった。

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