プロ野球PRESSBACK NUMBER
やっぱり弱かった2015年の中日……。
大激動人事でまだまだ不安続く!?
text by
玉野大Hiroshi Tamano
photograph byNaoya Sanuki
posted2015/12/28 10:50
引退した今季は出場試合を30にとどめて監督業に専念したが、チーム成績は振るわず。来季は世代交代の波をどう乗り切るだろうか。
落合GMと谷繁監督の妥協から生まれたモザイク内閣。
これらコーチ陣すべての人選、担当部門、配置場所は落合博満GMと谷繁監督の思惑による。
ところが、ドラゴンズ担当記者なら誰もが知っていることだが、2人の思いが一致した人事はこの中に1件もない。
つまり、どちらかが推し進め、それを譲ったもう一方は違う部門で思惑を通す。いわば駆け引きと妥協の産物。ほぼ全員のコーチングスタッフが、落合、谷繁のいずれかの派に「色分け」できてしまうモザイク内閣ができあがった。
球団ワーストの4年連続Bクラスの可能性。
ADVERTISEMENT
そもそも2人の路線対立は、ドラフトで今永昇太(駒大からDeNA)を推した落合GMに対し、谷繁監督が高橋純平(県岐阜商からソフトバンク)を1位指名したことで表面化した。それが飛び火して、佐伯コーチの契約解除を主張した落合GMと一軍主要ポストに据えたかった谷繁監督の間で新たな対立を生んだ。
もちろん勝負の世界の住人である以上、どちらに呼ばれたコーチも目指すのは選手の成長とチームの勝利であることはさすがに疑わない。ただ、そこに至るアプローチや指導理念は、本当に重なっていくのか……。その場での意見の相違があっても、腹を割って議論できるのならより成熟した組織へと成長する。勝って一枚岩となることもあるだろう。
だが表面上は一枚に見えても実は「二枚」という岩は、衝撃にもろい。もしも春先につまずくようだと危うい。来季もBクラスに低迷し、球団ワーストの「4年連続」となった場合、敗因がこの組閣に行き着く可能性は大だ。