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ガンバが韓国王者撃破でACL4強!
ラスト15分の混戦を招いた強さと脆さ。

posted2015/09/17 12:00

 
ガンバが韓国王者撃破でACL4強!ラスト15分の混戦を招いた強さと脆さ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

「平日なのにすごいサポーターの皆さんも応援してくれていたし、半端じゃない盛り上がりだった。最高の試合展開」とコメントした決勝弾の米倉。

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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 アウェーゴール方式の妙。第1レグ、第2レグのトータル180分を見通した戦略。国内リーグとの兼ね合い。そして感情。

 ACLという大会の魅力が凝縮された戦いになった。

 9月16日に行われたアジアチャンピオンズリーグ準々決勝ガンバ大阪vs.全北現代モータース。ロスタイムの米倉恒貴の劇的なゴールにより3-2で勝利したガンバが、ベスト4進出を決めたゲームだ。8月26日に行われたアウェーの初戦を0-0で終えていたため、2試合合計スコア3-2でガンバ大阪が上回った。

宇佐美がいないガンバに対し、戦術をどう変えるか?

 宇佐美貴史がピッチにいなかった。これがまず、ゲームを展望するにあたって無視できない点だった。アウェーで行われた初戦でイエローカードを貰い、警告累積で出場停止処分となったのだ。

 なにせ、相手のチェ・ガンヒ監督の「対宇佐美対策」の執念たるや凄まじいものがあった。初戦を終えた後、「最も警戒すべき相手。ややもすればガンバの攻撃の70%は宇佐美が絡み、構成されている」と口にするほどの存在だったからだ。

 実際に初戦では、普段サイドバックで起用される背番号「25」チェ・チョルスンをアンカーに起用。宇佐美をマンツーマンでマークする役割を与えた。“宇佐美用の超特別対策”ともいえる戦い方に、韓国メディアから「Kリーグ王者にしては守備的ではないか」という不満が出た。しかしチェ監督は「大量スコアで勝てればいいが、相手も強いチーム。ホームで失点しないことも大切なこと」と言い切った。全北にとっては、「初戦で勝ち切れなかった点は悔やまれる」が、アウェーゴールのルールを考えると「0-0だったのは悪くない」というところだった。

 しかし、この日の万博のピッチには初戦と同じアンカーの姿があった。

 全北は宇佐美が欠場したにもかかわらず、本来サイドバックのチェ・チョルスンをアンカーに起用したのだ。

 前日会見でチェ監督が「本来のサイドでの起用」もほのめかしていたにもかかわらず。

「宇佐美の替わりに(初戦では途中出場だった)倉田が出てくるだろう、と予想した。彼もかなりの力量を持った選手。だからマンツーマンで抑える必要があった。リーグ戦で本来のボランチが一人骨折してしまったという背景もあった」(チェ・ガンヒ監督、試合後に)

【次ページ】 全北が意外にも再び守備的に構えてきたが……。

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