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ガンバが韓国王者撃破でACL4強!
ラスト15分の混戦を招いた強さと脆さ。
text by

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/09/17 12:00

「平日なのにすごいサポーターの皆さんも応援してくれていたし、半端じゃない盛り上がりだった。最高の試合展開」とコメントした決勝弾の米倉。
日韓のクラブ双方が、熱い想いを抱えて戦った。
今季、アジアを舞台としたガンバ大阪の一連の戦いぶりは、“ACL日韓対決ウォッチャー”として見ると、こんな風に感じられた。
3月、グループリーグにて。城南FC戦で「らしさ」を発揮できず敗れた。
5月、決勝トーナメント1回戦にて。FCソウル戦で「らしさ」を発揮して勝った。
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9月、準々決勝にて。全北現代戦で「らしさ」を発揮できずとも勝てた。
日韓のクラブ双方が、この大会にかける強い想いをもっており、感情を剥き出しにして戦ったからこれほどの熱戦が生まれたのだ。これらのゲームにはもうひとつ、「興奮」というキーワードがあったのだと思う。
全北のチェ・ガンヒ監督は「先制点をPKで挙げた直後、選手が“興奮”しすぎてしまった。これが原因で失点した点が残念。セットプレーに冷静な対応が出来ていなかった」と悔やんだ。
一方の長谷川健太監督は、前日会見で「相手チームにも日本語通訳がいるし、スタメン関連の情報はノーコメント」とピリピリとした雰囲気を作り出した。一方、試合終了間際には劇的な決勝ゴールに“興奮”するあまりピッチに足を踏み入れてしまい、主審から退席処分を下されてしまった。
強いだけじゃない。崩れそうになり、感情も剥き出しにする。そんなガンバ大阪の魅力も感じられたゲームでもあったのだ。
準決勝では中国の広州恒大と対戦する。9月30日にアウェー、10月21日にホームでの戦いが待っている。この秋の日本サッカー界最大のビッグマッチのひとつだともいえる。
ガンバの戦いぶりを頭の片隅に置いておくと、Jリーグも観戦の楽しみがより深まる。これは間違いないことだ。
