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世代交代の難航とユーベとの確執。
コンテ&アズーリを襲う「内憂外患」。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/04/02 10:30

世代交代の難航とユーベとの確執。コンテ&アズーリを襲う「内憂外患」。<Number Web> photograph by AFLO

コンテ監督は、ユベントスでも代表でも中盤の要であるマルキージオの負傷を巡って、SNSで殺害予告まで受けたという。

代表とユーベの医師で食い違った診断が。

 練習のウォームアップ中、中盤の要であるMFマルキージオ(ユベントス)が右膝を痛め、代表医師団とともに赴いたフィレンツェ市内のクリニックで精密検査を受けたところ、「膝前十字靭帯の部分断裂」との診断が下された。全治4~6カ月コースの重傷が危惧され、彼を代表へ送り出したユベントスが気色ばんだのも無理はない。

 ところが、代表合宿を後にしたマルキージオがトリノへ戻り、ユーベのメディカルスタッフの下で再検査を受けてみると、「膝には異常なし」という真逆の結果がもたらされた。

 大事をとってマルキージオはそのまま休養扱いになったが、コンディション管理をめぐる重大な判断の食い違いは、元々ユーベ側が抱いていた、コンテ率いるイタリア代表への不信感を一層強めることになった。

インタビュー途中でマイクを取って退場したコンテ。

 コンテと古巣ユーベの対立は根が深い。昨年7月の電撃辞任を、前監督コンテの“裏切り”だと感じているユベンティーノはなお数多い。

 一方で、コンテは代表強化のために今年2月の合宿開催をクラブ側へ懇願したにも関わらず、CLを控えていたユーベから強硬な反対を受け、せっかくのプランを潰された恨みが残っている。

 マルキージオをめぐる騒動が表沙汰になると、大事な中心選手をあやうく傷物にされるところだったユベントスの指揮官アッレグリは「代表監督の仕事は、代表チームに選手を選出することであって、サッカーを指導することではない」と嫌みをぶつけ、ユーベ上層部は「なぜ代表で(シーズン中のハイコンディションにあるはずの)選手たちに、ハードな練習を課す必要があるのか?」と指導法にもケチをつけてきた。

 そうして、コンテのイライラは頂点に達した。

 ついには、ブルガリア戦前の国営放送RAIの中継で、なおもマルキージオ事件について執拗に質問を重ねられた彼は、突然ピンマイクを剥ぎ取ると、無言でインタビューを途中放棄したのだった。クラブでの指導とちがい、毎日怒鳴り散らせない代表での日々に、闘将の熱量が空回りしている。

【次ページ】 チームの状態も一向に上がらず……。

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