セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
世代交代の難航とユーベとの確執。
コンテ&アズーリを襲う「内憂外患」。
posted2015/04/02 10:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
イタリア代表のEURO2016予選突破に、黄信号が灯った。
3月28日に敵地ソフィアで行なわれたブルガリア戦で、イタリアは2-2のドローに終わった。同日、予選グループHのライバル、クロアチアがノルウェーを5-1で一蹴し、単独首位に浮上。アズーリはグループの2位へ滑り落ちた。
ブルガリア戦終了と同時に、クロアチアに先行されたことを知ったイタリア代表監督コンテは、ひどくぶっきらぼうに語った。
「彼らはうちより強いから、首位に立ったのだ。苛立つことなどあるものか」
大嘘だ。コンテは怒り狂っている。
彼の癇癪癖はいつものことだが、今は辞任すら言い出しかねない勢いで、いつも以上に怒り狂っている。
一体、何に? それは、代表を取り巻く喧噪とトラブルにだ。
コンテは外野からの介入を至極、嫌う。
今回の代表2連戦にあたって、コンテは、イタリアのパスポートを所持するブラジル4世のFWエデル(サンプドリア)と、アルゼンチン2世のFWバスケス(パレルモ)を初招集した。これに、インテル指揮官マンチーニが「イタリア代表は国内出生者に限るべきだ」と噛みついた。
どんな形であれ、コンテは外野からの介入を至極、嫌う。彼のこめかみには血管の怒り筋が浮いたはずだが、この時点では「ルールや過去の代表と照らし合わせても、私は何もやましいことはしていないはずだがね」と受け流した。帰化選手を認めないとするマンチーニの前時代的発言には、多くの反論と批判が浴びせられたが、アズーリをめぐるトラブルはこれで終わらなかった。
フィレンツェ郊外にあるトレセンで試合前合宿に入ると、MFフロレンツィ(ローマ)とDFパスクアル(フィオレンティーナ)が相次いで故障。そして、試合前日に“マルキージオ事件”が起きた。