サッカーの尻尾BACK NUMBER
4-3の乱戦でバルサがクラシコ勝利。
マドリーを待ち受けた2つの“誤算”。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAP/AFLO
posted2014/03/24 12:05
もみ合うセスク・ファブレガスとぺぺ。クラシコでは往々にして審判が主役となってしまうが、今回も試合後のコメントが審判に集中する事態となってしまった。
クリスティアーノ・ロナウドはこの日の主審、ウンディアーノ・マジェンコを真っ向から批判した。
「彼はクラシコのような舞台で笛を吹くべきじゃない。ミスがあまりにも多すぎたし、最悪だった」
セルヒオ・ラモスは「今季は二度とマドリーの試合で笛を吹かないでほしい」とまで言った。
いずれも、試合後のミックスゾーンでの発言だ。レアル・マドリーの選手の口から出てくるのは主審批判ばかりだった。
クラシコ前までバルセロナに勝ち点4差をつけていたマドリーだったが、この日は3-4で敗戦。マドリーが勝っていれば差は7に開き、事実上リーグ優勝を決めていただけに、彼らの落胆ぶりも理解できる。
オフサイドだった後半18分の退場&PK。
焦点となったのは、セルヒオ・ラモスがエリア内でネイマールを倒し、退場&PKの判定が下された後半18分の場面だ。与えられたPKをメッシが決め、数的優位に立ったバルサはさらにもう1点(それもPKだった)を決め勝利を手にしている。セルヒオ・ラモスは言う。
「まずボールを受けたネイマールはオフサイドだった。接触の場面も、僕は止まったんだ。マドリーにとっては引き分けで十分だったし、退場して10人になりたくなかったから。ネイマールの方がぶつかってきたんだ」
その場面を振り返ってみると、確かにネイマールはほんのわずかではあるがオフサイドポジションにいる。PKの場面では、複数のテレビカメラをピッチ上に置くCanal+の映像を見ると、意図的ではないにせよ接触はあった。
いずれにせよ副審がオフサイドを取るべきだったのは明らかで、セルヒオ・ラモスの怒りも理解できる。アンチェロッティ監督も「あの退場とPK判定が試合を変えた。それまでマドリーは試合をコントロールできていた」と悔やんだように、試合の流れを変える出来事だったからだ。