WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
侍ジャパン、最後のサバイバル!
ポジション別、メンバー選考当落予想。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/02/19 11:55
18日に予定されていた西武との強化試合が雨で中止となり、室内練習場で調整する(左から)田中、前田、森福、浅尾、山井ら侍ジャパン投手陣。最終選考に残るのは誰になるのか。
先発、リリーフの主軸と目された前田と浅尾が不調!
当初は代表入りが微妙と見られていたのがソフトバンク・大隣と山井に、当落線上と言われていた涌井、澤村の合わせて4投手だった。
大隣は同じ左腕に内海、杉内、能見の先発候補3人とリリーフの森福、セットアッパーの山口がほぼ固まっているため、メンバー構成の問題がひっかかっていた。山井は17日の広島戦でメジャーボールへの適応が全くできていないことが判明して、苦しい立場に立っている。
また、涌井と澤村も当初は当落線上と言われた選手だった。
2人はメジャー球への対応を含めた制球面でやや劣り、同じ先発タイプも揃っていることがマイナス材料と言われていた。ただ、ここにきて2人ともブルペンでの投球内容の良さから評価が急上昇して、特に澤村は代表入りをほぼ確実にしている。
そこで本来なら大隣、山井の2人が外れて、すんなりと陣容は決まると見られていたが、そこに浮上してきたのが、先発とリリーフの主軸に予定されていた前田と浅尾の不調だったのだ。
前田と浅尾を無理に起用すると選手生命をも脅かしかねない!?
2人は合宿招集前から肩の不調を訴えており、合宿のブルペンでも本来のピッチングからは、ほど遠い内容の投球が続いている。
すでに17日の試合で代表チーム相手に先発した前田の場合は、結果的には2回を無失点で抑えたが、フォームがおかしくストレートのスピードも130キロ台前半と、マエケンらしさの全くみられない内容に、肩の不安説が一気に浮上しているわけである。
一方の浅尾も20日の紅白戦の内容次第だが、ここまでブルペンではボールがまったく走らずに首脳陣を渋い顔にさせている。
いずれも本来の力を発揮できれば、文句なしに代表入りする選手だけに、このコンディションをどう判断するか。そこが最大の焦点となっているのだ。
「大会後にいい状態で選手をチームに返すのも我々の役目」(与田剛投手コーチ)という言葉通りに、肩の故障を抱えながらのピッチングは選手生命を脅かしかねない事態にもつながる。
そうした選手の将来への判断も踏まえて、前田か浅尾のいずれか、あるいは両方とも外すのか。それとも本大会の始まる10日後には、コンディションが上がると判断して、この2人を残すのか。今回の投手陣選考の最大の焦点はそこに絞られることになるわけだ。