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浅尾に代わるWBCの守護神が必要!?
選手選考で難問山積の山本監督。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/02/16 08:02
代表キャンプ初日は、朝9時半から練習が始動。ランチタイムを挟んで14時過ぎまで練習は続いた。「初日としては、まずまずでございます」と山本監督。
その瞬間だけ東尾修投手コーチの目が“マジ”に光った。
「昨日の夜に本人と話はしたよ。とにかく明日、ブルペンで投げるから、それを見てからでしょう」
2月15日から始まったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の宮崎キャンプ。その初日の練習を終えた囲み取材だった。
笑顔の絶えなかった東尾コーチを“マジ”にしたのは、中日から代表候補に選出されて、山本浩二監督が「クローザー候補」と期待を寄せる浅尾拓也の右肩だった。
浅尾は中日のキャンプに参加していた11日に右肩の張りを訴えて、その日に予定されていたブルペン入りを回避。合宿合流直前の13日にはピッチング練習を再開したが、わずか21球の軽い調整に終わっている。
「まだ(肩の張りが)残っている部分はあるけど、そんなにヒドい状態ではない。大丈夫だと思います」
本人はそう語って沖縄から宮崎入り。そして合宿初日のこの日の動きが注目されていた。
「(17日からの練習試合で)投げろと言われていますけど……」
午前中は小雨模様の天候のためサンマリンスタジアムを使えなかったため、木の花ドームでのスタート。アップ後のキャッチボールでは、他の選手がどんどん距離を離して遠投をする中で、チームメイトの山井大介を相手にした浅尾は、最後まで短めの距離に抑えてのスローイングが続いた。
そしてその後は杉内俊哉、内海哲也、澤村拓一(巨人)、田中将大(楽天)、涌井秀章、牧田和久(西武)、山井(中日)の7投手がブルペン入り。それを横目に残りの投手は強化運動やキャッチボールを繰り返したが、浅尾は肩の状態を確かめるように短い距離でのキャッチボール。その最後に相手を座らせて“仮想投球”のようなことを行ったが、ほとんど力を込めたボールを投げることはなかった。
「明日はブルペンに入ります。(17日から始まる練習試合で)投げろと言われていますけど……。それまでにきっちりと見せられる状態にしたい」
本人の練習後のコメントも、どうも歯切れが悪かった。