野球善哉BACK NUMBER
「斎藤世代」だけじゃない!!
ドラフトの目玉はPLの吉川大幾。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/06/23 13:10
プロでの失敗を想像できないポテンシャルと意識の高さ。
吉川がこんな話をしていた。
「自分は負けず嫌い。だから、プロの世界に早く行ってみたいという気持ちがあります。プロって、すごい技術をもった選手の集まりじゃないですか。そこに行けば負けたくないって思うから、自分自身が成長できると思う。同じポジションとか、同世代とかには、絶対、負けたくないですから。守備について、どこでも守れる選手になっていたい。新外国人とかが入団して来て、出られなくなるんではなく、吉川はどこでも守れるって監督に信頼してもらえる選手になりたいんです」
走・攻・守の高いポテンシャルと意識の高さは、プロでの失敗を想像できない。失敗例の少ないPL学園出身というのもいい。どの面をとっても、吉川には「斎藤世代」に劣らぬ魅力があふれている。
荻野のサプライズ1位指名の再現はあるのか?
昨年、雄星(西武)を指名するといわれた千葉ロッテが、サプライズで荻野を1位指名したようなことが、起きてもおかしくはない。「斎藤世代」だからといって無視するにはもったいない逸材なのだ。この春から夏にかけ、高校野球、大学野球、プロ野球を見ながら、そう思わずにはいられなかった。
ある在阪担当のスカウトがつぶやいていた。
「うちのチーム、外野手は足りているからいらんのよなぁ。でもなぁ……吉川、セカンドでけへんかなぁ」
高校生野手トップ評価の逸材・吉川は「斎藤世代」に待ったを掛けることができるのだろうか。
彼を審判する最後の夏、全国高校野球大阪大会は7月10日に幕を開ける。