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MAX155kmに「もっと出そうな感覚がある」“ドラ1候補”東洋大・細野晴希の「本当の評価」と伸び代…阪神・村上との衝撃の出会いが転機に

posted2023/08/04 11:00

 
MAX155kmに「もっと出そうな感覚がある」“ドラ1候補”東洋大・細野晴希の「本当の評価」と伸び代…阪神・村上との衝撃の出会いが転機に<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

プロ注目左腕の東洋大・細野

text by

酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

 つかみどころのなさが、底知れぬスケール感を醸し出している。

 今秋に行われるプロ野球のドラフト1位候補に挙がる、東洋大学の細野晴希である。6月下旬、駒澤大学との東都大学野球1部・2部入替戦の初戦に先発すると、力投で勢いをつけ、2021年春以来、5季ぶりの1部昇格に貢献した。

最後まで衰えない球威

 自己最速155kmのサウスポー。

 この触れこみを聞くだけで、心躍るし、実際にプロのスカウトも熱い視線を寄せ続けている。だが、6月23日の神宮のマウンドは、手綱さばきが難しい暴れ馬のごとく、コントロールが定まらなかった。終わってみれば185球完投。皮肉にも、制球難で球数が増えたことで、終盤に入ってから細野の馬力が証明される格好になった。

 NPB球団のスカウトは、バッグに片づけていた黒いスピードガンを取り出し、再び球速を測り始めていた。7回にこの日最速の153kmをマーク。9回も149kmで遊飛に詰まらせるなど、最後まで球威は衰えなかった。快速球は野球のロマンだ。9回6安打1失点は好内容に見られるが、8四球を与えてしまった。何かが奥歯に挟まったような結果は、目利きのスカウトたちにどう映ったのだろう。

【次ページ】 スカウトの本音は…

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