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なぜこの時期にホームで大敗した?
浦和の“正攻法”、その弱点と可能性。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2012/09/29 08:01
原口、柏木、リシャルデスの強力な攻撃陣を自在に操る阿部が浦和の攻撃を始動させる。厳しいマークが予想される終盤戦、前線へ効果的なパスを出し続けることができるか。
残り8試合で崩れかけたシステムを再構築できるか?
ミックスゾーンで坪井慶介が悔しさをにじませた。
「ミシャのサッカー、今までやってきたサッカーに対しては、個人的にも目指すところは変わってないし、そこはブレない。今日はいいバランスで守備はできませんでした。ただ、そこに関しては修正できると思う」
おそらく守備は修正できる。寄せの甘さ、マークのズレなど、5つの失点にはどれも明確な理由がある。
問題はやはり攻撃だ。
浦和が逆転優勝を実現するためのバロメーターは、センターFWの原口がいかに機能するかにある。G大阪が“対浦和”のお手本となる見事な守備を見せた以上、あの縦パスをいかにして通すかが今後の課題となることは間違いない。
坪井が強調する。
「今日は『どこが何が』じゃなくて、全部。悔しさしかない。ただ、方向性が間違ってるとは少しも思ってないし、他の選手もみんなそうだと思うので、みんなで前に進んでいくしかないですね」
大敗を喫したショックは決して小さくない。しかし坪井が言うように、チームがブレなければこれを再構築のきっかけとすることもできる。絶大な信頼を寄せる指揮官とともに作り上げてきた新生レッズの真価が、残り8試合で問われている。