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原晋監督も「スゴいなぁ、これは」マラソン狙う青学大勢…全国男子駅伝で笑顔のワケは? 黒田朝日は「50%くらい」も同期ランナーは「一緒に走れて楽しかった」
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byAFLO
posted2026/01/19 17:05
年始の箱根駅伝で大活躍だった青学大の黒田朝日が全国男子駅伝の3区に登場。2月の別大マラソンに向けた練習の一環ながら区間5位と好走
練習量を増やして脚力を鍛える一方で、原にはマラソンをどう走るべきか、その心構えを説かれたという。
「30kmまでって考えて走ると20何kmで垂れる(失速する)可能性があるから、35kmまで行くという気持ちで、しっかり35kmまでついて、そこから頑張れ」
それはそのまま宇田川が思い描くレースプランになっている。この日は区間15位に終わったが、彼もまた、「心臓に負担をかける練習でした」と振り返り、2週間後の本番を見据えた。
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安芸路を駆けたひとときは、ふたりにとって忘れられないデッドヒートになった。レース後、宇田川は黒田に話しかけた。
「中間点ぐらいでバカきつかった。お前がペース上げるから、ついていけんかったわ」
そして、こう言い合ったという。
「めちゃめちゃ楽しかった。思い出になったね」
宇田川は感慨深げに振り返る。
「一緒に駅伝を走ることなんてなかなかありません。都道府県とか、今後、ニューイヤー駅伝であるかないかぐらいです」
それにしても、昨年2月の大阪マラソンを2時間6分5秒で走り、日本人学生記録を樹立した黒田に対する期待は高まる一方である。2度目のマラソンの目標タイムを問われると、あっけらかんと言った。
「特に明確には設定してなくて、自己ベストが出ればラッキーかなと。そうでなくても自分の一番いい走りを当日できればいいかなと思っています」
立場は変わったが…「頑張る原動力になる」
黒田はこの4年間で、いろんなものを背負うことになった。それはこの日、走り終えて、閉会式会場に戻ってきたときの光景からも明らかである。黒田が姿を現すと、気づいた観衆がぞろぞろとついてきた。指をさす老夫婦。写真撮影をねだる同年代の女性。もはや、無名ではいられなくなった。
だが、冒頭で触れた、故郷の後輩ランナーとのやりとりについてこう答えるのだ。
「憧れを持って見てくれているので、そういう対象として、ずっとそういう選手でいられたらいい。頑張る原動力になります」
かつて黒田は、法政大で箱根の名ランナーだった父・将由さんの現役時代の映像を見て、走り方がそっくりなことに驚いた。幼き日々、ふるさとで夢を育み、力を蓄えてきたのだ。166cmの背中はこの日、かつてないほどに大きく見えた。

