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「防御率0.17は自分の実力ではない」50試合連続無失点の阪神無双リリーフ・石井大智が明かした”驚きの自己評価” 本人が気づいていた「自分に足りないもの」
posted2026/01/20 17:01
2025年のレギュラーシーズンでは防御率0.17の圧倒的成績を残した阪神の石井大智だが、日本シリーズで痛恨の被弾。本人がいま明かす“涙の真相”とは…(第2回)
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph by
Nanae Suzuki
石井大智の自己評価
シーズン終了から2カ月近くが過ぎた頃、石井大智に2025年の自己評価をお願いしてみた。
主な返答は以下の通りである。
「捕手の方々のリード、それに昨年は野手の方々の守備が本当に良かったので、そこに助けられたところも大いにありました。防御率0.17という数字は正直、自分の実力ではないと思っています」
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真顔から口をつくのは周囲への感謝ばかり。謙虚な人柄を差し引いても辛口評価すぎやしないかと、少々面食らった。
レギュラーシーズンは53試合登板で防御率0.17。ポストシーズンでも計7試合に投げて、失点した試合は終戦ゲームとなった日本シリーズ第5戦しかない。
日本記録の50試合連続無失点。球団記録の49イニング連続無失点。どの角度から粗探しをしても、非の打ちどころがない数字が、これでもかと並ぶ。
一方で本人に聞けば、隙あらば胸の奥からフツフツと湧き出てくる葛藤と格闘し続けていたのも、また事実なのだという。
投げたいボールではなく、抑えられるボールを選ばなければならない。
“王道”を追求しきれない自分自身への不満は、とうとう秋口まで消えることはなかった。
どうやら2025年は理想像と実際の投球スタイルとの間に隔たりが存在したようだ。
「理想のイメージはやっぱり中日の松山晋也投手みたいな感じですよね。今は投手の奪三振力がフォーカスされる時代ですから。でも、2025年の僕は奪三振を減らさざるを得なかったというか……」
「奪三振にもリスクがある」と語るワケ
そう言いよどむと、根が正直な若者は一瞬、悔しげに唇を噛んだ。
「三振……。僕が取れないから言い訳をしているのかもしれないし、そう思い込ませて気持ちを安定させているだけかもしれないけど、奪三振にも少なからずリスクはあると思っているんです」
そんな風に会話を仕切り直すと、右腕は理路整然と持論を語り始めた。

