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阪神・石井大智が語る日本シリーズ「明らかに力負け」発言の真相…たどり着いた“シンプルな結論”「あっ、野球が違うんだなと理解しました」
posted2026/01/20 17:02
2025年のレギュラーシーズンでは防御率0.17の圧倒的成績を残した阪神の石井大智だが、日本シリーズで痛恨の被弾。本人がいま明かす“涙の真相”とは…(第3回)
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佐井陽介Yosuke Sai
本人も認めた「明らかに力負けです」の真相
あの夜、懸命に振り絞った言葉の裏側がずっと気になっていた。
2025年10月30日。
阪神が終戦を迎えた直後、石井大智はまるで吹っ切れたかのように潔かった。
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充血した両目に涙の跡を残したまま、甲子園のベンチ裏通路に現れる。
番記者から矢継ぎ早に質問が飛ぶと、右腕は驚くほど素直に完敗を認めた。
「今日打たれたから言うわけじゃないんですけど、(第4戦までの)4試合の中で力の差を感じていました。今日も柳田選手に明らかに力負けです」
同日の日本シリーズ第5戦。石井は2点リードの8回1死一塁、ソフトバンクの1番打者・柳田悠岐に同点2ランを浴びていた。自身57試合ぶりの失点だった。
初球、外角低めの151km直球を逆方向の左翼席まで運ばれたシーンはもちろん、初戦から3戦連続無失点の最中にも「力の差」を痛感していたのだという。
まさかの被弾から2カ月近くが経過した頃、ようやくコメントの真意を聞く機会に恵まれた。
「力の差」はどのようなタイミングで感じていたのだろうか?
素朴な疑問をぶつけると、石井は「う~ん……それを言うなら『1戦目から』ですかね」と苦笑いを浮かべた。
「僕たちは事前に対戦相手の分析を進めて、『この打者に対してはこうやって攻めていこう』というプランを持ってマウンドに上がっています。その中で『このタイミングでこういう軌道のボールをこのコースに投げたら、結果はこうなるだろうな』と、ある程度は想像しながら投げるわけです。でも、ソフトバンクとの日本シリーズでは想像通りにいくことが全然なくて、ほぼ逆の結果になっていたので」
豪快なスイングで次々に想定外の打球を飛ばしていく軍団と対峙すれば、マウンド上の投手は誰だって言い知れぬ恐怖を覚えるものである。
「このボールなら詰まって一塁側に飛ぶだろうと思っていたら、しっかりバットが間に合って、引っ張られてフェアゾーンに飛ばされる。アウトはアウトだけど、『えっ想像と違うやん』という違和感がずっとありました」
石井がたどり着いた“シンプルな結論”とは…
そこで石井は日本シリーズ終了後、ホークスナインのインタビュー記事をこまめにチェックした。抱いた違和感の正体を探し出しそうと試みたのだ。
そして、シンプルな結論にたどり着いた。


