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「監督力の差が出てしまった」敗れた早大監督が記者にポツリ…青学大・原晋監督の“恐るべきピーキング”、9区佐藤有一が証言「箱根駅伝本番で1kmを14秒速く走れた」

posted2026/01/06 17:22

 
「監督力の差が出てしまった」敗れた早大監督が記者にポツリ…青学大・原晋監督の“恐るべきピーキング”、9区佐藤有一が証言「箱根駅伝本番で1kmを14秒速く走れた」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

5区、早稲田大・工藤慎作(3年)を抜き去る青学大・黒田朝日(4年)。今年の箱根駅伝で最も衝撃的なシーンだった

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 今回の箱根駅伝は、「区間配置革命」が起きたことで記憶される大会となるだろう。

 青山学院大の原晋監督は、エースの黒田朝日のレバレッジを最大限に効かせるため、2区ではなく5区に起用した。黒田が能力を発揮し、他校と最も差をつけられる区間は5区だと判断したわけだ。

 この采配が大成功したことで、再び「5区最重視時代」が甦るのではないか――。

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 5区は2006年に23.4kmに延長され、山を制した学校が総合優勝を手にする時代が到来した。今井正人(順天堂大)、柏原竜二(東洋大)、神野大地(青山学院大)の3人は「山の神」と呼ばれ、ポップスターの扱いを受けた。

 しかし、「5区の比重が高すぎる」という意見もあり、2017年から23.4kmから20.8kmに短縮され、相対的な価値は下がったはずだった。

 しかし、黒田は区間2位の斎藤将也(城西大)に対して2分12秒の差をつける圧倒的な区間新をマークし、常識を覆してしまった。これだけ上れる選手がいたとしたら、1区から4区までを2分から最大3分差でつなげれば、優勝が近づく。

じつは中央大にもあった「エース5区プラン」

 今回、原監督は往路人材である塩出翔太(8区区間新)、折田壮太(10区で駒大の佐藤圭汰に次ぐ区間2位)を復路に投入し、チームとしての脚質を「先行」から「差し」へと変更した。黒田がいたからこその区間配置ではあるが、差しで勝つ発想を持っていた監督は少ない。パッと思いつくのは、順天堂大の黄金時代を築いた澤木啓祐監督と、優勝回数がまだ少なかった時代の駒大の大八木弘明監督くらいではないか。

 この革命的区間配置は、次回にも影響を及ぼしそうだ。

 例えば今回、中央大も2区で区間6位だった溜池一太を山上りに起用するアイデアが一瞬、あったようだ。

【次ページ】 じつは中央大にもあった「エース5区プラン」

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