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「監督力の差が出てしまった」敗れた早大監督が記者にポツリ…青学大・原晋監督の“恐るべきピーキング”、9区佐藤有一が証言「箱根駅伝本番で1kmを14秒速く走れた」
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生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/06 17:22
5区、早稲田大・工藤慎作(3年)を抜き去る青学大・黒田朝日(4年)。今年の箱根駅伝で最も衝撃的なシーンだった
8月に蔵王で行われた山上りのタイムトライアルで、溜池は部内で圧倒的な速さでトップだったという。この結果を受け、学生の方から「5区が重要なのは分かっているので、溜池を上らせるというアイデアはないでしょうか」と、藤原正和監督へ提案したことがあったという。
藤原監督もその案を検討したが、最終的に溜池はエース区間の2区に起用された。
来年以降は、エースで上りの適性があるなら、迷わず5区に起用する学校が増えるかもしれない。
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先んじて革命的配置を行った青学大の原監督は、本当にクリエイティブな采配をした。
「監督力の差が出てしまいました」
そして今回、10時間40分を突破し、いきなり10時間37分34秒というとてつもない総合新記録を出したことにも驚かされた。青学大の「ピーキング力」は他校の追随を許さない。
中大の藤原監督は、今回の選手たちのコンディションをこう振り返る。
「往路の選手たちは、良い調整が出来て、ピーキングも合っていたと思います。ただ、10日ほど前に1区を予定していた吉居駿恭がふくらはぎにアクシデントが発生し、10区を考えていた1年生の濵口大和もなかなか調子が上がって来ず、4年生にアンカーを託すことになりました」
ケガだけでなく、16人から10人に絞り込まれる段階で消耗してしまった選手もいた。
「7区の七枝直については、当落線上の選手だったこともあり、選考過程でかなり出力してしまい、ピークを合わせてやれなかったかもしれません。このあたりも、青学さんとの差だと認めざるを得ません」
4位の早稲田もピーキングには苦しんだ様子。花田勝彦監督はこう話す。


