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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
清原和博も工藤公康も落合博満も「大物がFAで巨人」だったが今オフは松本剛…メジャー挑戦増加のウラで「国内移籍が小粒化」しつつある問題
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/11/29 11:00
巨人時代の工藤公康と清原和博。プロ最初の所属先は西武で、FA移籍で再び同僚となった
〈1993年~2001年〉
野手:安打数上位選手
谷繁元信 2001年(横→中)捕手/14年
1604試4730打1106安
126本578点12盗 率.234
駒田徳広 1993年(巨→横)内野手/7年
875試3392打979安
63本469点5盗 率.289
清原和博 1996年(西→巨)内野手/9年
846試2703打720安
185本576点1盗 率.266
江藤智 1999年(広→巨)内野手/6年
627試1815打465安
101本296点24盗 率.256
落合博満 1993年(中→巨)内野手/3年
352試1222打362安
53本219点4盗 率.296
広沢克己 1994年(ヤ→巨)内野手/5年
384試1142打296安
56本178点9盗 率.259
松永浩美 1993年(神→ダ)内野手/4年
284試1028打274安
15本92点17盗 率.266
片岡篤史 2001年(日→神)内野手/5年
376試995打241安
28本122点3盗 率.242
石嶺和彦 1993年(オ→神)外野手/3年
253試816打194安
28本118点2盗 率.238
中嶋聡 1997年(オ→西)捕手/5年
324試640打135安
6本65点3盗 率.211
ダントツの成績を残したのは横浜から同じセの中日に移籍した谷繁。落合監督のもと、中日の黄金期を築いた。2位の駒田は巨人から横浜に移籍し、98年の優勝時には主軸選手として活躍した。
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3~6位までの清原、江藤、落合、広沢の4人は駒田とは逆の、他球団から巨人へのFA移籍。当時はまだ巨人のステイタスが圧倒的に高かったので、オフに大物選手が巨人にFA移籍するのが恒例行事のようになっていた。
“ミスターFA”こと工藤は2度のFA移籍先で貢献
投手勝利数 ※工藤は各球団所属時の成績
工藤公康 1999年(ダ→巨)7年
128登53勝40敗0S0H 789.1回 率4.04
工藤公康 1994年(西→ダ)5年
119登49勝37敗0S0H 817回 率3.18
武田一浩 1998年(ダ→中)3年
51登15勝22敗0S0H 301回 率4.07
星野伸之 1999年(オ→神)3年
39登8勝13敗0S0H 189.2回 率3.80
川口和久 1994年(広→巨)4年
85登8勝13敗4S0H 198回 率4.32
加藤伸一 2000年(オ→近)3年
29登8勝10敗0S0H 136.2回 率5.53
この時期に「ミスターFA」と言ってよい活躍をしたのが工藤。最初のFAは31歳の時、西武からライバルのダイエーに移籍して先発投手として49勝、さらに36歳の99年には巨人に移籍して53勝を挙げている。しかし工藤を除くとFA後に目立った活躍した投手はいない。94年、オリックスからFAで阪神に移籍した山沖之彦は「一軍登板なし」に終わっている。
21世紀初頭はFA全盛期、しかし今は…
草創期を経て、21世紀に入ると「日本版FAの全盛期」と言っていいほど、各球団の大物選手が新天地へと渡った。しかし直近の10年は、大物選手のメジャー移籍が現実的な選択肢となったことで、その潮流は大きく変わってきている。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

