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「オオタニからMVPを奪えたら…奇跡と呼ぶしかない」米メディアが戦慄した“満票時代”のMVP論争…あるライバル選手「最後まで見てみよう」の虚しい現実 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/11/18 06:00

「オオタニからMVPを奪えたら…奇跡と呼ぶしかない」米メディアが戦慄した“満票時代”のMVP論争…あるライバル選手「最後まで見てみよう」の虚しい現実<Number Web> photograph by Getty Images

両リーグを通じて3年連続4度目のMVPに輝いたドジャースの大谷翔平。その圧倒的な存在感をライバルたちはどう見たのだろうか

 米メディア『Dodgers Way』は、大谷翔平の時代についてこう記している。

「いまオオタニが健康を取り戻し、来季に向けてフルシーズン投げる準備を進めているという事実だけで、彼を止められるものはない。彼はこのまま、ボンズの7度のMVP記録に並ぶどころか、超えてしまうかもしれない」

 同記事は「ドジャースのオオタニが健康でいる限り、ナ・リーグのMVPを奪う者はいない。もし今後4年間で誰かがタイトルを奪えば、それは“奇跡”と呼ぶしかない」という強烈な一文で終えられている。

満票が常態化…大谷による「競争が成立しない」時代

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 まさにその通りだ。ボンズの記録を追い越すかどうかは、もはや議論の本質ではない。

 大谷が示しているのは、競争が成立しない時代における支配の形である。満票が常態化したこの数年、対抗者がどれほど数字を積み上げても、結論は変わらなかった。打者として、投手として、そして存在そのものとして――。大谷がいるだけで、MVP争いの“物差し”そのものが変わってしまう。

 シュワーバーが挑み、ソトが抗い、フリーマンとベッツが称え、メディアが畏怖する。

 そのすべてを飲み込みながら、大谷は来季も静かにバットを構える。いつかはこの“満票時代”が終わる日が来るのかもしれない。だが、その時には大谷の名は、すでに歴史の一部になっているのだろう。

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