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「オオタニからMVPを奪えたら…奇跡と呼ぶしかない」米メディアが戦慄した“満票時代”のMVP論争…あるライバル選手「最後まで見てみよう」の虚しい現実 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/11/18 06:00

「オオタニからMVPを奪えたら…奇跡と呼ぶしかない」米メディアが戦慄した“満票時代”のMVP論争…あるライバル選手「最後まで見てみよう」の虚しい現実<Number Web> photograph by Getty Images

両リーグを通じて3年連続4度目のMVPに輝いたドジャースの大谷翔平。その圧倒的な存在感をライバルたちはどう見たのだろうか

 一方のソトは、9月にメディアが大谷へのMVPを“確定”扱いする中で「シーズンが終わった時にどうなっているかだよ。最後まで見てみようじゃないか」と強気のコメントを残していた。

 その言葉がいまとなってはどこか切なく響くのは、ソト自身が誰よりもその距離を痛感していたからだろう。ライバルでありながら、大谷の存在がいかに「常軌を逸している」かを最も理解しているのが彼らなのだ。

 ロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデス記者はこう記した。

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「エンゼルス時代のMVPは補助輪付きだった」

 なぜなら、当時のエンゼルスは一度もポストシーズンに進出していなかったからだ。チームを勝たせることができない主砲やエースは本当の意味で評価されない。だが、ドジャースに移ってからの大谷にはもはや“補助輪”など存在しない。

チームメイトも驚く「ショウヘイ・オオタニ」の存在

 彼を最も近くで見つめるのは、すでにMVPを経験した男たちだ。

 2020年のナ・リーグMVP、フレディ・フリーマンは延長18回を制したワールドシリーズ第3戦後にこう語った。

「驚異的という言葉では足りない。最大の舞台で、彼はまたとないことをやってのけた。これは“ショウヘイ・オオタニの試合”として記憶されるだろう」

 さらに、「100年に一人現れるかどうかの選手なんだ。もう彼を形容する言葉が残っていないよ」とも口にした。その表現には、“才能への敬意”というより“目撃者の感嘆”がにじむ。

【次ページ】 “大谷時代”のMVPは「レース」ではなく「儀式」

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