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中日ドラ1指名“東都最強投手”青学大・中西聖輝とは何者か? 高校時代にあのレジェンドから「ちゃんとやってよ」…ようやくわかった「言葉の意味」
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田口元義Genki Taguchi
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/10/23 20:34
中日からドラフト1位指名を受けた青学大の中西聖輝。智弁和歌山高校時代にはあのレジェンドから指導も
そして彼は、「2025年のドラフト上位候補」に名を連ねるピッチャーとなった。
厳しさの意味を咀嚼できる男に慢心はない。飛躍はむしろさらなる厳しさの入り口とばかりに、気を引き締める。
「去年の1年間で結果を出せたことで、今年は僕の情報も相手に知られていると思うんで。それを上回るくらいの成績を残したいですね」
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大学4年の今年、中西は青山学院大のマウンドに君臨した。
春季リーグ戦で6勝2敗、防御率1.41。2季連続で最優秀投手とベストナインに選ばれ、初のリーグMVPも受賞した。秋季リーグでは右ひじの状態を考慮して登板を控えながらも、ドラフト時点でリーグトップの防御率0.36と圧巻の数字を残す。
悲喜こもごもの同世代…中西は「即戦力」になれる?
満を持して挑む、日本野球の最高峰。
ドラフト1位として先にプロとなった、かつてのライバルたちの足跡をたどれば、そこがいかにハイレベルな場所であるかが、今の中西にはわかるはずだ。
日本ハムに進んだ達は今シーズンに先発として8勝を挙げブレークしたが、DeNAの小園はようやくプロ初勝利を挙げたようにいまだ成長の途上にある。阪神の森木、ソフトバンクの風間に至っては、今シーズン限りで戦力外と岐路に立たされる。
高卒プロの目標から大学進学に切り替えてから4年が経ち、中西は「即戦力」としてドラフト1位で指名される選手となった。
彼の選択は、正しかったのである。

