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「瀬古歩夢が断った“破格オファー”の真相」日本人代理人が告白…今夏、菅原由勢ら5人の移籍を実現させた男が明かす「交渉で10回はケンカした」

posted2025/10/25 11:28

 
「瀬古歩夢が断った“破格オファー”の真相」日本人代理人が告白…今夏、菅原由勢ら5人の移籍を実現させた男が明かす「交渉で10回はケンカした」<Number Web>

8月26日、英2部サウサンプトンから独1部ブレーメンへレンタル移籍した菅原由勢(25歳)。写真左が代理人の龍後昌弥

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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 今夏、プレミアリーグの移籍市場では6000億円以上の移籍金が飛び交った。拡大する欧州サッカーの移籍ビジネス。そのカギを握るのが代理人だ。
 じつはヨーロッパ現地に在住する日本人代理人はほとんどいない。そのうちの1人、龍後昌弥(33歳)がNumberWebのインタビューに応じた。【全2回の前編/後編も公開中】

◆◆◆

 外国資本によるサッカークラブの買収が世界的な流行になっているが、その波は代理人業界にもおよんでいる。最近、代理人会社の買収が次々に起こっているのだ。

 2024年、ハリウッド俳優らが所属する米国系『UTA』(ユナイテッド・タレント・エージェンシー)がファンダイクら約150人が所属する独系『ルーフ』を買収。そして同年、米国系『ガーシュ』がファビアン・ルイスらが所属するスペイン系『You First』を買収し、米国系投資会社『ブルーイン』が4つの中堅代理人事務所をまとめて新会社を設立した。

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 また、2025年には未上場企業に投資する『ベロシティ・キャピタル』が、ゴードンやヌワネリが所属する『ユニーク・スポーツ・グループ』に約150億円を投資した。

 「個人商店」的だった代理人事務所が、アメリカをはじめとした外資によって「大型店」化する現象が起こっている。

「あのロマーノさんにも連絡しますよ」

 そういうダイナミズムのど真ん中にいるのが日本人代理人の龍後昌弥(33歳)だ。

 ドイツ大手代理人事務所『Sports360』に所属し、現地ケルンに居をかまえて菅原由勢(ブレーメン)、瀬古歩夢(ルアーブル)、藤井陽也(名古屋グランパス)、塩貝健人(NECナイメヘン)を担当。最近、顧客リストに小川航基(NECナイメヘン)と久保建英(レアル・ソシエダ)も加わった。

 2025年夏は大きく5人の移籍に携わった。

 菅原のブレーメンへのレンタル移籍と瀬古のルアーブル入団を手掛け、クラブ側代理人として韓国人選手3人のオーストリア移籍(アウストリア・ウィーンのイ・テソクとイ・ガンヒ、リーフェリングのチョン・ソンビン)を実現させた。

 その過程において、龍後は大手の強みを肌で感じた。

「あるCL出場クラブの強化責任者に『移籍はパズルのようなものだ』と言われました。資金力がある上流のクラブから移籍が決まり、そのお金が下流に流れて玉突き的に移籍が起こっていく。各クラブはその中で自分たちがどのポジションを補強しないといけないかを考察し、必要なピースを見つけ、売り買い出来る場所を探す。

【次ページ】 菅原由勢のブレーメン移籍ウラ側

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