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ブラジル監督アンチェロッティの誤算「ビルドアップが困難に」日本代表“歴史的大逆転”ウラ側…久保建英が証言「どの国も面食らうんじゃないですか」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/10/16 17:55

ブラジル監督アンチェロッティの誤算「ビルドアップが困難に」日本代表“歴史的大逆転”ウラ側…久保建英が証言「どの国も面食らうんじゃないですか」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ブラジル代表を率いるカルロ・アンチェロッティ監督。5回のCL優勝(史上最多)をはじめ、あらゆるタイトルを手にしてきた世界的名将だ

 52分だった。堂安律がカゼミロにプレッシャーをかけ、ルーカス・パケタに鎌田が寄せる。連動して前線へのパスコースを遮断し、バックパスを誘発した。

 ペナルティエリア内でボールを収めた右CBファブリシオ・ブルーノには、上田綺世が襲い掛かる。左CBルーカス・ベラウドには、南野拓実がプレッシャーをかけている。パスコースを見つけられないファブリシオ・ブルーノはキックミスをしてしまい、プレゼントパスを受けた南野が豪快に蹴り込んだのだった。

アンチェロッティの「テスト」の意味合い

 今年5月からブラジルを率いるアンチェロッティ監督は、韓国、日本と対戦する今回のアジアツアーを「テスト」と位置付けていた。日本戦に先発したGKウーゴ・ソウザは国際Aマッチデビュー戦で、右SBのP・エンリケもアジアツアーで代表デビューを飾った選手だ。右CBのファブリシオ・ブルーノは9月のボリビア戦で約1年半ぶりに出場し、日本戦が通算4試合目だった。

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 左CBのルーカス・ベラウドは、代表通算5試合目である。スタメンは24年6月以来だった。左SBのカルロス・アウグストは、23年11月以来のスタメンだった。通算では4試合目である。

 中盤のカゼミロ、ルーカス・パケタ、ブルーノ・ギマランイスは、22年のカタールW杯のメンバーである。前線のビニシウス・ジュニオールとガブリエウ・マルチネッリも、22年冬のカタールで代表のユニフォームを着ている。ベンチスタートのリシャルリソンやロドリゴも、カタールW杯の代表だ。イタリア人指揮官が言うところの「テスト」は、守備のブロックに色濃かった。

 試合後のアンチェロッティ監督は、「ファブリシオのミスで、チームはコントロールを失った。メンタル面で調子を落としてしまった」と振り返った。ハーフタイムには「引き続きゲームをコントロールするように。ボールを保持してリスクをなるべくとらずに、ボールロストをなるべく減らして素早いトランジションをするように」と指示したと言うが、日本のハイプレスで「ビルドアップが困難になった」との見方を示した。

【次ページ】 世界的名将の“誤算”

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