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「ブラジルに勝ったくらいで、はしゃがない」“鎌田大地語録”も久保建英も上田綺世もクールだった…「練習試合なのでね」日本代表ウラ話
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/18 11:02
ブラジル戦後の鎌田大地と久保建英。“仲良し”で知られる2人を含めた、歴史的初勝利後のエピソードとは
これまで堂安と伊東純也を同時起用するなら、堂安をシャドー、伊東をウイングバックに置いていたが、この試合では堂安をウイングバックから動かさず、伊東をシャドーで起用した。その伊東のクロスを、逆サイドのウイングバック中村敬斗がエリア内で合わせて、同点とした。
そして、逆転となるチーム3点目のゴールを上田が決めた。このメカニズムについては、第1回で記したとおりだ。そこに付け加えるとすれば――1点目のシーンに続き、この場面でもGK鈴木彩艶から上田へのロングパスが起点となった。
このシーンは上田が味方に落とすまでには至らなかったが、相手がどうにか触ったボールを拾った伊東のクロスを上田が頭で合わせたことで獲得したコーナーキックを、ヘディングで自ら決めたものだった。
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だからこそ、久保は試合後に絶賛したのだ。
「3点目とかを見てもわかるように、上田選手は世界でもトップレベルの空中戦の能力を持っている」
鎌田語録「いやいや、ブラジルに勝ったくらいで…」
こうして、日本は14度目の対戦にして初めて、ブラジル相手に勝利をつかんだ。上田が逆転ゴールを決めた直後や、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、多くの日本代表選手がピッチになだれこんだ。
ただ、チームメイトの多くが、最後までピッチに立っていた選手をねぎらいにいくのがわかっていたからこそ――試合終了直後に、ゴール裏のサポーターの元へ走った選手が2人いた。
堂安と久保である。
まず、堂安が一目散に駆け出した。そこから痛めていた足を治療するためにスパイクを脱ぎ、サンダルを履いていた久保が少し遅れて、ゴール裏のサポーターへ感謝を伝えに行った。久保は表情を変えず、あの場面についてジョークを交えながら振り返った。
「鎌田選手は『いやいや、ブラジルに勝ったくらいで、はしゃがないようにしよう』と……。僕もそれを聞いたら(意見としては)そっち派だったんですけど、『堂安選手1人で行かせるのはかわいそうだな』と、ついて行った感じですね!」
オフにはラジオのパーソナリティを務め、代表合宿中にもずっと話していると言われる久保らしい一言だった。
「練習試合なのでね」
ちなみに鎌田にも、直接話を聞く機会があった。これまでの日本とは異なり、1点目も3点目もロングボールを起点にしてゴールへ至る道筋をつけた。その流れについて尋ねると、上田と鈴木彩艶の活躍を評価しつつ、こんな答えが返ってきた。

