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「ブラジルに勝ったくらいで、はしゃがない」“鎌田大地語録”も久保建英も上田綺世もクールだった…「練習試合なのでね」日本代表ウラ話 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/10/18 11:02

「ブラジルに勝ったくらいで、はしゃがない」“鎌田大地語録”も久保建英も上田綺世もクールだった…「練習試合なのでね」日本代表ウラ話<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ブラジル戦後の鎌田大地と久保建英。“仲良し”で知られる2人を含めた、歴史的初勝利後のエピソードとは

 試合序盤、効果的にゴールに迫ったのは日本の方だった。9月のメキシコ戦や4日前のパラグアイ戦とは異なり、先行逃げ切りを図ろうとして序盤からハイプレスに行くようなプランは採用しなかった。

 久保は試合のプランについて、こう振り返る。

「『最初はミドルブロックを作って、引いていこう』という話をしていて。結果だけを見たら、ブラジルのセンターバックがボールを保持する能力が高いわけではなかったので、前から(プレスに)行ったほうが良かったなと思いますけど、それも経験なのかなと。(前半の2失点は)試合内容とは違った形の失点というか、完璧に崩された感じもなかったですし、その分、悔やまれる感じではありましたけど……」

データ的にも“プランは正解”久保の実感は合っていた

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 久保の話は決して強がりではない。

 26分に生まれたブラジルの先制点は、彼らに許した最初のシュートだったからだ。それまでに日本はシュート3本を放ち、この最初の決定機――上田がゴール前に飛び込んだ場面――も日本だった。

 しかしブラジルは前半の枠内シュート2本いずれも、ゴールに結びつけた。なお、久保の体感は、シュートの本数と質を元に算出される「ゴール期待値」でも正しかったと証明されている。日本とブラジルのゴール期待値(xG)は以下の通りだ。

前半:0.89対0.49
後半:1.6対0.17
合計:2.49対0.61

 前後半ともに日本が上回っているとともに、ブラジルにあまりチャンスを与えなかったと言える。つまり、前半の「相手にボールを持たせる」プラン自体は決して間違っていなかった。

 ところが、日本は2点ビハインドでハーフタイムを迎えることになってしまった。そこで南野拓実と堂安律が森保一監督と話をした。ハイプレスを含め、守備でリスクを冒して、相手ボールを積極的に狩りにいくプランを提案。監督も快諾したという。

伊東シャドー+堂安WBのまま…森保采配も的中

 そして、後半早々の52分に1点目が生まれた。

 鈴木彩艶のロングボールを、上田が頭で落とした。一度は相手に拾われたが、そこで南野と堂安がボールを即座に奪い返す「カウンタープレス」をかけて、ボールをペナルティーエリアまで下げさせた。そこでブラジルのCBブルーノがコントロールしようとしたが、上田の猛烈なカウンタープレスに焦ったのか、転倒。こぼれたボールを南野が蹴りこんで、1点を返した。

 2点目のシーンでは森保監督の采配が的中する。

【次ページ】 伊東シャドー+堂安WBのまま…森保采配も的中

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