「大谷翔平は知らない。でも渡辺は超有名でした」東北No.1だった天才投手14歳…大谷が“落選した”楽天ジュニアのエース「プロ野球を諦めるまで」 

「今みたいにデータ重視という感じじゃなくて、精神野球でしたね。とにかく厳しくて、めちゃくちゃ走らされました。中学時代がいちばん練習がきつかったです。高校より練習が長かったので、高校生が僕らの練習を眺めたりしていましたから」

　その話を伝えると、須江はこう苦笑した。

「まだ駆け出しの頃で、その頃は気合いと根性とガッツ以外、何もなかったですね。人生で自分が誇れることってほとんどないんですけど、気合いと根性とガッツで負けたことはないです」

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　気合いと根性とガッツ。いずれも同じ意味だが、三つ並べないと足りないくらいの不屈の精神が備わっていたということなのだろう。だからこそ無名中学の無名指導者でありながら、東北一の選手を口説き落とすことができたのだ。

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　東北一と評価された渡辺。秀光中を経て、仙台育英高に進学する。しかし高校1年の秋、渡辺は野球人生において初めて鼻をへし折られた。そして、ここから長いトンネルに入ることになる。

＜前編から続く＞

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