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「戦力にならない」阿部慎之助監督に怒られた巨人選手“その後”…成績どう変化?「一番練習している」阿部監督が一転して称賛した“23歳の有望選手”
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岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/10/12 11:01
巨人を率いる阿部慎之助監督(46歳)
■4月8日 DeNA 3対3 巨人(横浜) ※状況判断について
―7回無死二塁で見逃し三振の中山
「そうね。2ストライク追い込まれてからも何の工夫もなしに普通に見逃し三振して帰ってきて。去年3割打って、規定打席も達してないからね。そこはやっぱ考えるとこだよね。自己犠牲だなんだって俺はしつこく言ってるんだし。そういうとこはね、これから勉強じゃないですかね」
■6月12日 ソフトバンク 0対0 巨人(みずほペイペイドーム)※サイン見落としについて
―明日から
「リチャードを落とす。自分が打つ打たないじゃなくて、ボーンヘッドは許されないので」
―6回無死一塁、初球見逃して増田陸が盗塁死
「そうそう。エンドランかけたんだけど。チームが勝つためにこっちも度胸据えてサイン出してるのであって。お前が打つ打たないじゃないんだって。そこを考えを変えて野球やってみてくれってお願いした。自分が打つ打たないよりもチームがどうしたら勝てるかっていうのをね、そうやって切り替えて考えて野球やってくれって」
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■7月17日 ヤクルト 3対2 巨人(神宮) ※1打席目見逃し三振、2打席目バント失敗で
―泉口が3回で交代
「今日は戦力にならないなと思って代えました」
後半戦、この3人は躍動した。23歳の中山は8月19日のヤクルト戦(神宮)で逆方向のレフトに2打席連続アーチをかけるなど打撃開眼。リチャードは打率.211ながら、自己最多の11本塁打、39打点と長打力不足のチームを救った。月間打率では、8月は.203だったが、9月は.272と確実性も増してきた。序盤から遊撃のポジションを勝ち取っていた泉口は、両リーグで3人しかいない3割打者の1人になるまで成長した。
リチャードにはどう接してる?
こうして見ると、阿部監督の叱責はプラスに働いている。もちろん、叱咤だけが活躍につながったわけではないにせよ、中山、リチャード、泉口へのお灸は一定の効果があったと考えられる。そして、過去に叱責した選手が結果を残せば、阿部監督は称賛している。
■8月15日 巨人 6対5 阪神(東京ドーム) ※代打同点2ラン
―中山の成長
「一番練習しているのは知っているし。2軍の頃から見ているけど、練習量は誰にも負けないくらいしていると思うので。それがああいう結果になってるんじゃないですかね」
■10月1日 巨人 5対2 中日(東京ドーム) ※シーズン最終戦
―泉口は打率3割超え
「もう素晴らしいの一言ですね」
一方のリチャードに対しては、性格を見抜いて手綱を緩めていない。

