ベッツとマンシーの好守は現代の「ドジャース戦法」？ NHK解説者が現地でうなった豪打だけじゃない“底力”「エドマンが制止を振り切って…」 

　しかしそんな厳しいマークを受けながら、大谷選手は第2戦の7回表では二遊間を破るゴロヒットで4点目を奪って、熱狂的なフィリーズファンを沈黙させました。結果的にこの1点があったから勝利できたわけです。前編でお話しした、佐々木投手を援護する時間稼ぎもそうですが、ホームランを打つ、三振を奪うだけでない、細かいプレーや地味な打撃でも大きくチームに貢献しているんです。

厳しいマークのなかで地区シリーズ初ヒットを放つ大谷。結果的にこのタイムリーが決勝点となった　©Getty Images

現代の「ドジャース戦法」ばりの底力

　大昔のスモールベースボールの先駆け、「ドジャース戦法」そのものというわけではないでしょうが、やはりここ、という場面で緻密なプレーをきちんとできる、そういうドジャースの底力が随所に見えた2試合だったのではないでしょうか。

　この後地区シリーズはロサンゼルスに移ります。第3戦の先発は山本由伸投手ですね。2連勝したのは大きなアドバンテージではありますが、やはりフィリーズはシーズン勝率でドジャースを上回る、シード上位のチームです。間違いなく力はあるので、ひとつ勝てば、息を吹き返す可能性も十分あります。このまま、一気に決めてしまうにこしたことはないでしょう。私も引き続き現地で解説を務めますので、手に汗握って見守りたいと思います。

〈全2回の後編／前編から読む〉