ベッツとマンシーの好守は現代の「ドジャース戦法」？ NHK解説者が現地でうなった豪打だけじゃない“底力”「エドマンが制止を振り切って…」 

　この場面、レフトのブランドン・マーシュ選手はクッションボールがアンラッキーにフェンス沿いに転がってしまい、やや処理に手間取っていました。ミスというほどのプレーでもなかったのですが、エドマン選手は二塁を回ったところでそれをチラッと目にして、間に合うと判断したんですね。結果的にホームにボールが返ってくることさえありませんでした。

　ここで1点止まりか、2点取って1点差に迫るかでは大違いです。足首を痛めているにもかかわらず、チャンスを見逃さなかったエドマン選手の、試合の行方に大きな影響を与えた好走塁でした。

第2戦で最高のビッグプレーは？

　第2戦では、守りのビッグプレーが飛び出しましたね。前編でもお話ししたように、9回裏に登板したブレイク・トライネン投手は制球に苦しみ、3連打を浴びて4-3と1点差に迫られてしまいました。ここでピッチャーは左投げのアレックス・べシア投手に交代。ノーアウト、ランナーは二塁でした。打者は途中出場の7番、左打ちのブライソン・ストット選手。左対左ということもありますし、まずは同点狙いで送りバントが十分に考えられる場面です。

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　ここでドジャースは大胆なバントシフトを敷いてきたんです。投球と同時にサードのマックス・マンシー選手がチャージしてきました。ストット選手は1球見送りましたが、次のボールをバントします。これに再びチャージしてきたマンシー選手は、三塁のカバーに入っていたショートのベッツ選手に素早く送球。タッチプレーで二塁ランナーをアウトにすることに成功しました。

素早く三塁カバーに入っていたベッツが、マンシーからの送球を受けて走者をタッチアウトにした決定的瞬間　©Getty Images

年に1回あるかないかのプレーだった

　この説明だけを読むと、日本の高校野球などではよく見るプレーではないか、と感じる方もいるかもしれません。しかし、私も長年メジャーリーグを見ていますが、これほどはっきりとしたバントシフトはメジャーではほとんどありませんよ。レギュラーシーズンで年に1回あるかないか、というプレーです。それをこの大一番でビシッと決めてきた。放送席で思わず「うまい！」とうなってしまいました。

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