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「レアルと友好関係にヒビのボイコット事件は…」「世界No.1のエムバペが無縁のナゼ」バロンドール選考舞台裏をフランス名門誌編集長が語る
posted2025/10/05 17:01
現代サッカーでNo.1プレーヤーと言えるエムバぺだが、まだバロンドールの栄光は手にしていない
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
フランスフットボール誌(以下FF誌)ヴァンサン・ガルシア編集長インタビューの後編である(全2回/第1回からつづく)。
昨季のヨーロッパを席巻したパリ・サンジェルマン(以下PSG)。バロンドールの大本命であるウスマン・デンベレを擁し(インタビューはバロンドール授賞式以前におこなわれた)、ルイス・エンリケに率いられたPSGは、しばらくは今の力を維持し続けるだろうとガルシアはいう。
ただ、主力級の移動がほとんどなかったPSGにあって、この夏の最大の驚きはGKジャンルイジ・ドンナルンマのマンチェスター・シティへの移籍だった。どうしてルイス・エンリケは、世界最高のひとりであり功労者でもある若きGKの放出を決意したのか。
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また、PSGの前に立ちはだかるライバルたちの動向は。さらには21歳以下の若手に贈られるレイモン・コパトロフィーの行方は……。ガルシアの言葉は続く。
なぜGKドンナルンマを放出したのか
――どうしてPSGはリールからルカ・シュバリエを獲得し、ドンナルンマを放出したのでしょうか?
「ルイス・エンリケが引き起こした最大の驚きだ。昨季はドンナルンマにとって生涯最高のシーズンで、それに匹敵するのはイタリアをヨーロッパチャンピオンに導いた2020ー21年シーズンぐらいだ。
それほどのパフォーマンスを見せたGKをなぜ替えたのか。エンリケは自分が決めたことだと述べている。スポーツ面での決断だったと理解すべきだろう。ドンナルンマはエンリケが求めるほどには足元が強くない。彼のシステムではGKにもパス能力が求められるが、ドンナルンマにはそこまでの足元の技術がない。
考え得るもうひとつの理由は、ドンナルンマにとって今季は契約最後のシーズンだったことだ。当然ながら延長を求めたが、合意には至らなかった。PSGにすれば、彼が来年まで残れば自由契約でクラブを出ることになる。だからこの夏に新しいGKを獲得して、彼を売ることに決めたのかも知れない。
いずれにせよPSGは、最低限でも昨季の強さを保ち続ける。シュバリエは優れたGKで、ドンナルンマを差し置いて、昨季のリーグNo.1GKでもあった。ただ彼は、フランス代表では正GKではないし、これまで在籍したクラブとは次元もプレッシャーも異なるなかで、PSGで壁を乗り越えられるか否かはまだわからない」
CLでレアルよりバルサを警戒するワケ
――PSGのCL連覇は可能でしょうか?
