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「レアルと友好関係にヒビのボイコット事件は…」「世界No.1のエムバペが無縁のナゼ」バロンドール選考舞台裏をフランス名門誌編集長が語る 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2025/10/05 17:01

「レアルと友好関係にヒビのボイコット事件は…」「世界No.1のエムバペが無縁のナゼ」バロンドール選考舞台裏をフランス名門誌編集長が語る<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

現代サッカーでNo.1プレーヤーと言えるエムバぺだが、まだバロンドールの栄光は手にしていない

 レアルで2シーズン目を迎えるエムバペには、期待とプレッシャーが昨季以上に大きくなる。活躍のためには、レアルがコレクティブなプレーのベースを再構築することが不可欠だ。そこが欠けていると、個も輝くことができずに昨季と同じ道を辿ってしまう」

ヤマルはもはや新星ではない

――それでは今季の本命は、PSGとバイエルン、リバプール、バルセロナ、シティといったところでしょうか。

「その5つがトップ5といえる。シティは侮れないしリバプールは強固だ。バルサではラミン・ヤマルの台頭が目覚ましいし、PSGとバイエルンは言わずもがなだ。他にもレアルはレアルであるし、アーセナルやチェルシーにも可能性がある。チェルシーはやっかいな相手だ。PSGと同様にコレクティブなだけでなく、コール・パーマーのような優れた個も擁している。最後にCLを獲ったのは20ー21年シーズンなので、優勝すれば大きなサプライズではあるが警戒すべきチームだ」

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――若い世代では、ヤマルが昨年に続き2年連続でコパトロフィー(21歳以下の最優秀選手賞)の絶対的な本命ですが、他にも多くの選手が台頭しています。

「ヤマルはもはや新星ではない。彼が本来の意味でニューカマーだったのは23-24年シーズンで、EURO決勝でセンセーショナルなパフォーマンスを見せて大きな評価を得た。昨季の彼はその名声を確固たるものにした」

ドゥエはエキティケに比べれば難しくなかった

――本当の意味での新人は、デジレ・ドゥエなどになるのでしょうか。

「たしかにドゥエは新星といえる。彼には誰もが驚いた。だがPSGでのスタートは、決して簡単ではなかった。近年のPSGはどの選手にとっても適応は難しい。ウーゴ・エキティケがその典型で、今季はリバプールに移籍したが、才能は誰の目にも明らかにもかかわらず、PSG時代はスター選手たちのなかでポジションを獲得できなかった。当時のPSGにはメッシとネイマール、エムバペがいて、競争は厳しすぎた。本来の能力を発揮しだしたのは、フランクフルトに移籍してからだった。

 ドゥエはエキティケに比べれば、そこまで難しくはなかった。スター中心の時代は終わりを告げ、新しいプロジェクトのもとにチーム構築が始まっていたからだ。監督は若い才能に期待を寄せ、すでに名声を確立したスター選手に頼ることを止めて、コレクティブを強化する方向でチーム作りを推進した。その意味ではいい時期にチームに加入したが、それでもエンリケのスタイルに慣れるまでに時間を要した。だから最初からスタメンではなかったが、適応してからのシーズン後半の出来は素晴らしかった。CL決勝(5月31日、PSG5-0インテル)では2ゴールを決めて、将来のスター候補であることを世界中に知らしめた。彼にとってもまたチームにとっても最高のフィナーレだった。

【次ページ】 レアルの表彰式ボイコット事件は…

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