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阪神ドラフト“ガチ指名予想”「健大高崎の石垣元気がいいのでは?」大学No.1野手より未来のエース候補に舵を切るべき理由「ドラ1西純矢、森木大智の誤算」
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西尾典文Norifumi Nishio
photograph byJIJI PRESS
posted2025/09/26 11:07
創価大の内野手・立石正広への関心が報じられる阪神だが、健大高崎・石垣元気(写真)のような将来のエース候補も選択肢の一つだ
ここまでの報道では大学生ナンバーワンスラッガーで今年最大の目玉である立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)や、7月に行われた日米大学選手権で首位打者を獲得した左の強打者である秋山俊(中京大・外野手)の名前が挙がっている。
ドラフトに関しては、ポジションに関係なく、その年の最も良い選手を獲得するというのが成功率も高いと言われており、阪神では佐藤輝明がその最たる例と言えるだけに、まずは立石に入札するというのも当然、理解できる話だ。ただ、阪神はここ数年の傾向を見ても、ドラフト戦略については当日まで徹底的に漏らさないという方針をとっているだけに断言はできない。
次に狙いを定めるとすれば、前述した補強ポイントだ。若きエース候補、坂本の後釜となるキャッチャー、近本の後継者となる可能性を秘めたセンターを真っ先に狙うことも十分に考えられる。だが、1年のドラフトですべての補強ポイントを埋めるのは不可能。さらに今年に関して言えば、キャッチャー、センターに有力候補が少ない“市場”という要素も関係してくる。
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ともすれば、今年は思い切って高校生で圧倒的なナンバーワン評価となっている石垣元気(健大高崎)を狙うというのも面白いのではないだろうか。ストレートのスピードに関しては大学生、社会人も含めてもトップクラス。変化球やコントロールも下級生の頃と比べると見違えるほどレベルアップしている。体つきを見ても、まだまだ成長する可能性は高く、数年後には日本を代表する投手になる可能性も十分にあるだろう。
即戦力よりもスケールの大きさ
また、現在の一軍には盤石の投手陣がそろっているだけに、即戦力を獲得してもすぐに戦力として出場機会を与えることは容易ではない。そう考えると、大学生であっても完成度よりスケールの大きさが目立つ斉藤汰直(亜細亜大)、島田舜也(東洋大)などは候補になってくるかもしれない。斉藤は抜群の角度があるストレートとフォークのコンビネーションが持ち味で、島田は150キロ台中盤という数字以上に力のあるボールが魅力だ。ともに調子の波があるのは課題だが、プロで1年間しっかり鍛えれば、2年目から一軍の戦力となる可能性も十分にある。
報道の通り、上位はあくまで立石ら野手ということであれば、3位以降で狙えそうな高校生投手も狙い目か。森陽樹(大阪桐蔭)、藤川敦也(延岡学園)、早瀬朔(神村学園)といった大型の高校生右腕は、いずれも下級生の頃から評判が高く、スケールの大きさという意味では石垣にも引けを取らない。過去にも“素材型”と評されていた才木や及川を3位で獲得しているだけに、彼らに続く“成功例”も積極的に狙いたいところだ。
阪神が黄金時代を築くために現在の戦力をどのように判断して、どんな選手を狙いに行くのか。あと1カ月を切ったドラフト会議の動向にぜひ注目してもらいたい。〈全2回・前編から読む〉


