バレーボールPRESSBACK NUMBER

柳田将洋と石川祐希に「ふざけんな」男子バレー世代交代に揺れた“職人アタッカー”が涙を流して声を荒げた瞬間…記者から飛んだ残酷な質問
 

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

PROFILE

photograph byKoki Nagahama/Getty Images

posted2025/09/22 11:03

柳田将洋と石川祐希に「ふざけんな」男子バレー世代交代に揺れた“職人アタッカー”が涙を流して声を荒げた瞬間…記者から飛んだ残酷な質問<Number Web> photograph by Koki Nagahama/Getty Images

2015年ワールドカップ、当時19歳の石川祐希をフォローする米山裕太

 続く5戦目、オーストラリアにストレート負けを喫した日本は最終予選2試合を残した時点でリオ五輪出場の権利を失った。

 取材に応じた米山にこんな質問が飛んだ。

「リオへの挑戦は終わりましたけど、4年後、東京に向かう選手に向けてメッセージを」

ADVERTISEMENT

 一瞬、ふっーと息を吐き、丁寧に応じた。記者が立ち去った後、静かに発した言葉を今も鮮明に覚えている。

「僕らにとってはこれが最後だったから。ここにすべてをかけてきた。これからがある選手たちにはもちろん頑張ってほしいけど、今は何で負けたんだろう、どうして勝てなかったんだろう、その悔しさしかないです」

 すべてをかけてコートに立っていた米山は、軽々しく4年後を「目標」として語ることはできなかった。

 米山が「ありがとうございました」と頭を下げて後にしたミックスゾーン。まだ多くの記者に囲まれている選手がいた。小さな声で「自分が崩れた」と繰り返し、目を赤くしていたのは、当時26歳のセッター深津英臣だった。第3回に続く〉

#3に続く
「これからはお前がやるんだぞ」“セッター”が背負う特別な重圧…男子バレー低迷期を知る、深津英臣が“35歳”になった今も日本代表を目指す理由
この連載の一覧を見る(#1〜4)

関連記事

BACK 1 2 3 4
#永野健
#米山裕太
#深津英臣
#柳田将洋
#石川祐希
#清水邦広
#福澤達哉
#山村宏太
#南部正司

バレーボールの前後の記事

ページトップ