- #1
- #2
Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
「このままだと外すぞ」甲子園優勝の慶応“美白王子”にまさかのゲキも…U-18W杯で初優勝した選手が振り返る「名将・馬淵史郎」ホントの素顔
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/09/13 11:03
2023年夏の甲子園で優勝した慶応高の丸田湊斗。「エンジョイ・ベースボール」の体現者が感じた「馬淵イズム」とは?
決勝前夜もそうだった。その日、スーパーラウンドの最終戦で台湾に敗れ、翌日はあとがない決勝で再び台湾と対戦することになった。馬淵とかみ合っていなかった高橋もそのときのことは「めっちゃ覚えています」と真剣な面持ちで語る。
「馬淵さんが『台湾との決勝は100回やって1回勝てればいい方。けど、その1回を明日、持ってこい』と。台湾に負けて雰囲気が悪かったんですけど、あれで選手の気持ちが上がりましたね」
大一番の先発を任されていた前田も言う。
ADVERTISEMENT
「みんな少し気持ちが折れかけていたんですけど、馬淵さんの言葉を聞いて、『よし!』ってなった。当日もアップの時から、めちゃくちゃ気合いが入っていて、試合になってからもその感じが続いていました。だから優勝できたんだと思います」

