侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
W杯連覇を狙うU-18侍ジャパン「唯一の甲子園出場ナシ」選手は何者?「この春まで公式戦出場がなくて…」183cm、50mは5秒8の快速“秘密兵器”の正体
posted2025/09/13 17:02
W杯連覇を狙うU-18日本代表で唯一、甲子園経験のない神戸国際高校3年の川口蒼旺。この春までは試合にも出られなかったというまさに「秘密兵器」だ
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
その恵まれた体格は20人のメンバーの中にいても、すぐに目につく。背番号7を背負う川口蒼旺。183cm、79kgのバランスの良い体格は、アップの段階から機敏な動きを見せていた。
今回のU-18W杯の日本代表20名が発表された時に、川口の名前を見て「誰なんだ?」と思った人も多いはずだ。それもそのはずで、今回の20人の中で甲子園出場の経験がない選手は、川口たったひとりだからだ。
高校でのベンチ入りは「3年生の春」から
まさに「サプライズ選考」の選手だった。
ADVERTISEMENT
川口の持ち味は50m5秒8の快足を生かした攻撃と強肩だ。1年の冬に右肩を痛めて手術し、以降はリハビリなどに時間をかけ、初めてメンバー入りしたのは3年生になった今春だ。
神戸国際大附の青木尚龍監督は川口についてこう明かす。
「川口は長打力と肩と足が武器で、特に強い打球の長打が打てます。肩の強さは以前から目立っていましたが、鳴り物入りで入学してきたという訳ではないんです。ケガがあって手術して、なかなか試合には出られなかったですが、この春からやっと試合に出られるようになって、この春、夏と力を発揮できるようになりました」
今春の県大会では「1番・左翼」でスタメン出場し、準決勝の報徳学園戦では5打数4安打(うち長打が3本)をマークした。夏の県大会も準々決勝で同校と対戦し、左翼へホームランも放った。結果的に対戦した大角健二監督(U-18コーチ)は「打撃力、走力のポテンシャルの高さに目が止まった」のだという。

