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「一番心配されていたのが英語」米スタンフォード大・佐々木麟太郎が“学業優秀なアスリート”に選出も…「納得できない1年でした」と語ったワケ 

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カルロス山崎

カルロス山崎Carlos Yamazaki

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photograph byYukihito Taguchi

posted2025/09/17 06:02

「一番心配されていたのが英語」米スタンフォード大・佐々木麟太郎が“学業優秀なアスリート”に選出も…「納得できない1年でした」と語ったワケ<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

花巻東高卒業後、米国の名門スタンフォード大学に進学した佐々木麟太郎(20歳)

 アマチュア選手の「ショーケース」となる大会を全米で運営している「パーフェクト・ゲーム(PG)社」は、登録選手の身長、体重、球速、打球速度、60ヤード走のタイム、映像など、アマチュア球界最大のスカウトデータを持ち、MLBスカウトもドラフト指名の参考にしている。そのPG社も大学進学を目指す選手たちに対して、自らのプロフィールにGPAなど学業面のスコアを記入することを推奨している。現在、ディビジョン1の大学に入学するには、GPAは最低2.3が必要だ。PG社は公式サイトで「通常、登録はすべての学業レベルの選手に開かれている」と謳う一方、「しかしながら学業成績、特にGPAは、大学のリクルートに関して、選手のチャンスを左右することがある」と記している。

英語は「苦手でしたね」

 日本の高校にGPAなどの指標はないが、佐々木の高校3年間の成績が優秀であったことは想像がつく。ただ、意外にも英語は得意科目ではなかったという。

「苦手でしたね。英語自体、最初はそんなに好きじゃなかったんですよ。小学生の頃、YouTubeでバリー・ボンズさんのホームラン動画を見てメジャーリーグに憧れて。私はまだ生まれたばかりでしたけど、メジャーで活躍するイチローさん、松井(秀喜)さんを見て目標にしていました。だから英語に対するモチベーションは高かったと思うんですけど、実際は難しくて。大学進学にあたって、高校の先生方に親心として一番心配されていたのが英語だったと思います。そんなレベルでした」

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 スタンフォード大学では当然のことながら、対面での授業からエッセイなどの宿題まで、すべて英語だ。もし、単位を取得できなかったり、宿題の未提出があれば、NCAAの「スチューデント・アスリート」たちは試合はおろか、練習にも参加できないという厳格な決まりがある。

「私自身、スタンフォード大学の生徒として学業についていけるのか、単純に英語の面でついていけるのか、すごく不安だったんですけど、最初に野球部の選手、監督、コーチにすごく助けられて。渡米前にも勉強していって、英語も聞き取れると思っていたんですけど、実際はみんな話すのが速くて……そこで周りの皆さんが、私が理解できるまで助けてくれました。それがなければ米国で1シーズン、プレーできたかどうかもわからない。今では私自身の英語力は、入学当初よりもすごく伸びたと思います。改めて感謝の気持ちでいっぱいです」

 渡米したばかりの佐々木を一番近くで支えたチームメイトの一人が、先日、ブルージェイズと契約した4年生のチャーリー・ソウム捕手だ。ソウムは'24年8月、こう話していた。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「飛行機で移動するので、そこで宿題をやらなきゃいけない」佐々木麟太郎がスタンフォード大で挑む「スチューデント・アスリート」の道《独占インタビュー》で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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