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《独占インタビュー》「飛行機の中で宿題を」佐々木麟太郎がスタンフォード大で挑む“スチューデント・アスリート”の道「高校の先生方に一番心配されていたのが…」

2025/09/02
プロ注目のスラッガーが米スタンフォード大学に進んでから1年。今夏、Numberのインタビューに応じ、その学生生活を明かした。学業と野球を両立する上で、困難といかに向き合ったのか。(原題:[米大学2年目の決意]佐々木麟太郎「スチューデント・アスリートと呼ばれて」)

 2025年7月10日、米スタンフォード大学は「野球部のスチューデント・アスリート18名が、所属リーグのACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)からオール・アカデミック賞を授与された」ことを公式サイトで発表した。そのうち1年生で選出されたのは、一塁手の佐々木麟太郎と外野手のテイタム・マーシュの2名だけだった。

 学業成績優秀な大学生アスリートに贈られる同賞の選出要件は、前四半期のGPA(グレード・ポイント・アベレージ、4.0を最高値とした成績評定のこと)が3.0以上、かつ在学中の累計が3.0以上で、チームの公式戦50%以上の試合に出場することだ。

 '25年シーズン、佐々木はチームの全52試合に先発出場し、201打数54安打、打率.269、7本塁打、41打点という成績を残した。本人はこう振り返る。

「ここは成長したな、アメリカに来て良くなってきたなというのは部分的にはあるんですけど、総括すると満足できない、納得できない1年でした」

 花巻東高で高校通算140本塁打を放った佐々木は、NPBドラフトで1位指名が確実視されていたが、プロ志望届は提出せず、スタンフォード大学へ進学した。

 高校卒業後に米国の大学へ進学、留学する日本の高校球児が急増中で、佐々木が今後、NPBドラフト候補生たちに与える影響は少なくない。だが、佐々木のようにストレートで4年制大学に、しかもフル・スカラーシップ、いわゆる超特待生の新入生として入学できるケースは稀だ。今季はホワイトソックス2Aでプレーしている西田陸浮内野手(東北高出身)や、この夏にマリナーズとマイナー契約を交わした大山盛一郎内野手(興南高出身)のように、彼らの多くはまず短大に入学し、英語を学びながら実績を積み、そしてNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1に所属する大学への編入を目指す。智辯和歌山高からハワイ大学に進み、今年7月のMLBドラフトでアスレチックスから19巡目指名を受けた武元一輝投手、そして佐々木は、高校時代の実績やポテンシャルはもちろんのこと、学業面における成績も大きな武器となった。

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photograph by Yukihito Taguchi

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