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「広陵問題を“いじめ”と呼ぶのは違和感がある」暴力が生まれる“野球部寮の実態”とは?「カップ麺禁止だけでなく…」“謎ルール”が存在する根本的な理由 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph bySankei Shimbun

posted2025/09/01 11:02

「広陵問題を“いじめ”と呼ぶのは違和感がある」暴力が生まれる“野球部寮の実態”とは?「カップ麺禁止だけでなく…」“謎ルール”が存在する根本的な理由<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今夏の甲子園の開会式にて。広陵高校は1回戦勝利後に辞退を発表した

PL学園の“謎ルール”が存在した根本的な理由

――構造は昔も今も変わらないわけですね。

「そうですね。変わっていないから体罰や暴力も続いてきたわけです」

――近年ではどのような事案があったでしょうか?

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「まずはPL学園が浮かびます。2016年に休部、実質的に廃部となりましたが、それまでに何度も暴力の問題が明らかになり、大会への出場停止処分を受けましたが結局変わらなかった。それから青森山田高校の件もありましたね」

 青森山田高校の件とは2011年12月、1年生の部員が寮内で2年生に背中を殴打されて死亡したという事件だ。1年生の部員らが消灯時間が過ぎた後、焼肉を作っていたことに腹を立て、暴行を加えたとされている。2012年の第84回選抜高等学校野球大会への推薦を辞退したが夏の甲子園の青森県予選には出場した。2年生部員は翌年1月に書類送検され、2月に自主退学。また監督は解任となった。

「あのときは焼肉で、広陵高校はカップ麺でした。PL学園にはカレーライスを食べる際、“下級生はスプーンを使うのは禁止、お箸で食べなければいけない”というルールがあったそうです。先ほどもお話ししたように(#1参照)、ルールの中身、ルールそのものには意味がない“謎ルール”は各地の部活で散見されます。ルールを守らせる人、守らされる人ということで上下関係を作っていく。それが部活であり、日本全国で現在も行われているのです」

【次ページ】 「“いじめ”という言い方には違和感がある」

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