「二流の中の一流を目指そう」 “無名”だった30歳FWはなぜ仙台→磐田→広島…Jで重宝され続けるか「一度、日本代表に入ると実感できるんです」 

「どんな監督からも試合に使われるような選手を目指せ！」

　そこからは、求められた仕事を100％以上の力で出していくなかで、自分らしさを加えられる選手を目指す。そんな生き方がより明確になった。ジャーメインは言う。

「どちらかというと自分は、自分のことを客観的に見られるタイプだとは思っていて。プロに入って3年から4年目で、ヨーロッパに行くのは厳しそうだなとか、代表に入って華やかなサッカー人生にはならないかなというのが見えてきたんですよ」

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　ジャーメインという選手の魅力を形作る、話の肝はこの先にある。

　確かに、子どもの頃には多くの子たちがそうであるように、日本代表に入り、ヨーロッパの舞台で大活躍する姿を夢見ていた。

　しかし、それが簡単には叶わないと気がついた時、そこで腐ったり、指針を迷うような選手ではなかった。高校時代からも隣にいる天才的な選手たちを横目に、歯を食いしばって練習に全力を注ぎ、チームに重宝されるのがジャーメインだった。

今は「二流の中の一流を目指そう」と

　気がつけば、高校時代の恩師から教えられた一流について語られた言葉を参考に、決してくじけない自分の生きる道を見つけられた。

「本田監督は、普通の人が社会に出ても通用するような言葉を教えてくれたんですよね。一流に関する話にしても、『自分から課題などに取り組める人は、どんどん昇進していくような人』ということでしょうし。自分はサッカー選手として創造性はないかもですけど、監督に求められていることを100%できるタイプだと思うんです」

　そう分析するジャーメインは、自信を持って、こう語る。

©Masashi Hara/Getty Images

「ヨーロッパでバンバン活躍してというタイプではない自分は一流ではないかもしれないですけど、二流と言われたとしても、『二流の中の一流を目指そうかな』と今は考えているんです」

サンフレッチェはもちろん、Jで戦う誰かの刺激に

　今回のE-1選手権での大活躍を受けて、世間には2つのタイプがいる。1つは、純粋無垢にジャーメインの今後の代表での活躍を期待して、応援してくれるタイプだ。

　そして、もう1つは、「海外組のいないE-1選手権の活躍なんて、何の意味もない」と言ってくるような辛らつなタイプだ。ただ、それを聞いて、くじけるようなことはない。むしろ、ジャーメインは不敵に笑う。

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