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「二流の中の一流を目指そう」 “無名”だった30歳FWはなぜ仙台→磐田→広島…Jで重宝され続けるか「一度、日本代表に入ると実感できるんです」

posted2025/08/28 06:02

 
「二流の中の一流を目指そう」 “無名”だった30歳FWはなぜ仙台→磐田→広島…Jで重宝され続けるか「一度、日本代表に入ると実感できるんです」<Number Web> photograph by Hiroaki Watanabe/Getty Images

E-1得点王とMVPに輝いたジャーメイン良。30歳にして日本代表で結果を残したFWはJ各クラブで重宝されてきた

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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30歳でサッカー日本代表デビューを飾ったFWジャーメイン良(サンフレッチェ広島)が語るキャリアの転機、家族との幸せとは。〈NumberWebインタビュー/全3回。第1回からつづく〉

ベガルタでのプロ入り当初、出番は決して…

 7月のE-1選手権での日本代表デビュー戦4ゴールというド派手な活躍で、SNSやGoogleトレンドなどの急上昇ワードに躍り出たのがジャーメイン良だ。

 ただ、中学までは無名の選手で、流通経済大学付属柏高校に進んでようやく日本一に輝いた経験がある。だから、高校時代の恩師たちの言葉は今も大切に胸にとどめている。

 そのなかで高校時代の本田裕一郎監督が発した以下の言葉がある。

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「三流は他人から言われたこともできないが、二流は言われて初めてできる。ただ、一流は、言われなくてもできる」

 確かに、高校時代には同年代の高校生とJリーグのユースチームに所属するチームが一堂に会するU-18サッカーリーグチャンピオンシップ(名称は当時)で日本一に輝いた。

 だが、同学年でチームの中心であった青木亮太が高卒でプロ入りするのを横目に、ジャーメインは流通経済大に進学した。大学卒業時にはベガルタ仙台から声がかかり、プロになれたのだが、こう感じることもあった。

「プロに入って数年やって、自分がどれくらいのレベルの、どういうタイプの選手かはわかるじゃないですか。学生のとき以上に創造性のある選手、すごい選手がたくさんいました。それで自分はどちらかと言うと、技術が突出している選手ではなく……」

 プロキャリアをスタートさせた仙台での最初の2シーズンもほとんどが試合途中からの出場だった。

2018年:17試合出場、5試合先発。先発率29%。平均出場時間約30分
2019年:21試合出場、10試合先発。先発率48%。平均出場時間約40分

 大学生は即戦力として期待される。それもあり、チームへ十分に貢献できていないのではないかとジャーメインは歯がゆさを覚えていた。同時に、同学年の出世頭の存在も、自分の立場を冷静に把握することにつながった。

最初は大学の同期・守田の活躍に悔しさを感じたが

 流通経済大学に進学したジャーメインは、金光大阪高校を卒業してやってきた守田英正と同期になった。その守田は大卒初年度で川崎フロンターレの主力となり、日本代表にも選ばれるようになった。

「同期のトップランナーは守田なのかな」

 そう切り出したジャーメインは、当時をこう振り返る。

【次ページ】 先発率が一気に跳ね上がった“恩師”の存在

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